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名前、年齢---キャット・ザ・ニャンコ(23)
ニックネーム-ネコにゃん
身長、体重---157cm/42kg 
BWH----------76/53/79cm
血液型-------B型
所属---------亡魂女子プロレス・正規軍
得意技-------招き猫パンチ、ニャンコダイブ式フットスタンプ
出身地-------神奈川県
スタイル------ルチャリブレ
人物---------「猫の穴」出身? ネコ好きが高じて女子プロレスラーになったとか? 
ネコのように身軽。また自分を本当にネコだと思っている節がある? 色々と謎…
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2017.04.16 夜桜と変顔
p243
君の春、今年の桜もまた散りゆかん
p242
亡魂女子プロレス大阪大会第三試合、前回の名古屋大会の煉獄党乱入のアクシデントといったひょんな運びから6人変則タッグマッチが実現した。試合は45分のイリミネーションマッチ(3カウントかギブアップ、またはオーバー・ザ・トップロープでリング外へ落ちた選手は退場。最後の一人まで残ったチームが勝利)のルールとなった。先ずは選手入場。新宮、葛西、キャットのチームが新宮のテーマ曲「亡魂ルンバ」で入場。続いて、煉獄党チームが大音量のデスメタル調テーマ曲でリングへ登場した。緊張の試合前、新宮は準備運動の膝の屈伸をしつつ、今回の試合のイメージをしていた。ラフファイトが得意でヒールの女王に君臨する「ヘルファイア業火」と、ベテランで残酷なテクニシャンである「レクイエム小野田」、そして戦闘力未知数の謎のレスラー「ダークブレイド・ムザン」の攻略法はそうそう容易くないと思えた。いずれも侮れないツワモノ揃いであった。そして仲間のミミカとキャットをちらりと見て「それにひきかえ、こちらは おんにゃのコ と にゃんこ か……」新宮はため息が出そうになるのを堪えると「まっ、やるだけやってみるか! 久々のリングだ。ここは大いに暴れまくって、何よりプロレスを楽しまなくっちゃアタシらしくない!」と努めて強気の笑顔を作ってみた。そこで丁度リングアナの選手紹介「新宮真希~!」のコールに応え腕を高く掲げた。お決まりの新宮引っ込めコールが起こったが、「真希ーっ、頑張っちょういのし!」と紀州弁の声援はまた家族と地元の知人であろう。小さな応援団だが新宮は大いに勇気付けられた。そして次々に各選手のコールが始まり、各陣営の選手がリング中央に集まると新宮チームが握手を求めるも煉獄党勢は拒否。ここでカーン! とゴングが響き試合開始。新宮とヘルファイア。先ずはこの両者が両陣営の先鋒に立った。いわばのっけから大将同士の対戦である。間合いを詰めながらいきなり怖い顔で睨みあう両者。目を外すことなく額ぶつけ合いしばし膠着。そして激しくロックアップし二人の力比べとなった。新宮はウエイトではヘルファイアにかなり劣るもののここで持ち前のバカ怪力を発揮し、じりじりとヘルファイアを後方へと押しやった。さすがに客席からどよめきの声が。そしてコーナー近くでヘルファイアの巨体を真横に力任せにぶん投げた。「おおおお!」観客は堰を切ったように沸いた。転げ倒れたヘルファイアに重たいストンピングを5、6発落とした新宮。しかし、ここは深追いせずミミカにスイッチ。ヘルファイアもレクイエムに交代すると、ミミカは速攻得意のキック連打をイイ感じで叩き込んだ、「ミミカー! ミミカー!」ファンの大歓声に応え、先ずは幸先いい出だしをキープした。堪らずレクイエムはダークブレイド・ムザンにスイッチ。ミミカもキャットにスイッチ。これが亡女初見となるムザンはトップロープから派手なバック宙でリングに降臨し、続けてキレッキレの忍者の戦闘ポーズを披露した。新参ながらも感嘆と称賛で客席を沸かせた。一方のニャンコも猫を模したコミカルな戦闘ポーズで一部のファンを魅了した。そしてお互い軽快な身体能力を活かしたスピィーデーなバトルが開始された。そして空中殺法が得意な両者はロープ最上段に登る頻度が多く、両者コーナーポスト上での小競り合いが勃発。ここでよせばいいのにキャット得意のロープ綱わたりのパフォーマンスを繰り出した。これはコミカルレスラーの宿命かニャンコの習性だからいた仕方ないのであろう。既にやな予感でいっぱいの新宮とミミカ。パフォーマンスの途中で、ネタに乗っかってムザンがロープをゲシゲシ蹴りだし揺らし始めた。客席(笑)。これにはキャットも堪らずバランスを取るのに精いっぱい。リング場外に転落すればオーバー・ザ・トップロープで一発負けが確定。観客席からスリリングな声援が飛びかった。キャットが何とか踏ん張っているといつの間にか目の前にいたムザン。そしてムザンのゆるい廻し蹴りをくらいキャットは無残(ムザンだけに)にも場外へ落下。ムザンも回転の勢いで華麗にトップロープとセカンドロープの間をクルリと潜ってリングに帰還。観客の大歓声を集めた。キャットはネコのポーズでトボけるもレフリーの「エースコック佐々木」から失格を宣告。新宮とミミカはポカーンとなったところで次回に続く。
モモコ2nd ダブルピンチスタンバイ
7話 「ハロー青春、ビバ公爵家令嬢ライフ」

暦は薫風の香る5月に。春の勢いはそこ飽和に達し、夥しい陽光が亡魂帝国全土を包まんとする候。
このときの林檎子も、またその全身に溢れんばかりの輝きを放ち、高貴な公爵家令嬢として、または一人の絶対的な美少女として、その特別かつ破格の祝福を幾重にも享受し、心身ともにありあまる自由と壮健のもと、そしてまだ始まったばかりの青春を戸惑いながらも謳歌し、幸福と平穏の日々を過ごしてていたように見えた。
少なくとも彼女のあまりにも短すぎる生涯において、このときばかりはそうであったろうと、周りの者たちはそう思っていたようだ。
実際林檎子も黒荊家の生活にも慣れ、ただ相変わらず梅園寺派の横槍や嫌がらせは続き、ともすれば三輪子のヒステリーのよる暴力(本人は教育と言っている)も幾度かあった。
しかし、それすらも退屈な日常の一コマとなりつつあり、もともとイジメ耐性の強い林檎子にとってはストレスや心の痛痒というほどのことでもなかったようだ。
もっとも林檎子の関心ごとの殆どは兄紀緒彦のことであり、その他の人間との関わった出来事などまったくをもって実にどうでもよいことといえた。
意中の兄紀緒彦と当然同じ一つ屋根の下に住むも、また林檎子の部屋とは二階の隣同士でもあるも、一日の中で顔を合わせるのは朝食と夕食のときくらいであった。
その際、林檎子のほうからは決して話かけることはなく、一度すら視線さえも合わせずに日々を過ごした。
とにかく紀緒彦の前ではツンデレ属性をフル稼働させる林檎子であった。
たまに廊下で紀緒彦とすれ違うこともあるが、紀緒彦のそのやさしい笑顔を向けられると、とっさに林檎子は胸の内を気取られまいと焦るあまり、ハートマークになりそうな瞳を三白眼にし斜めに背け、綻びそうになる唇をヘの字に捻じ曲げ、うっかり垂れそうになる涎を吸い込むと「チョッ」と舌打ちまでオマケしてしまう始末であった。
そして、そんな林檎子の態度に「嫌われてるのかな」と懸念する紀緒彦の少し悲しそうな眉根を確認しては、そこで何故か林檎子はなんともいえぬ安心感を覚えるのであった。しかしそれと同時にまたなんともいえぬ罪悪感が沸き、それらが混沌と頭を悩ませ春の夜をより狂おしいものとするのがここのとこの林檎子のお約束であった。

そんな林檎子は、平日は学校も仕事も行く必要もなかったが、公爵令嬢としてそれなりの日課があるにはあった。
昼間は習い事、「お茶」、「お花」、「お琴」を父才蔵の提案でなんとなく始めてみた。
しかし女子力皆無の林檎子にはどれもこれもがハードミッションで、「お茶」をやらせればクリームソーダが出来上がり、「お花」をやらせればすべてお刺身のタンポポ状態になり、「お琴」はハワイアンな音色が響いた。
各習い事の先生はそんな状況に大いに頭を悩ませ、林檎子の習い事を辞退すると申し出る師もいた。
それ以外の空いた時間の林檎子は自室に篭り日がな一日、分厚い医学書を片手にお勉強にいそしんだ。
もともと趣味が勉強くらいであったし、三輪子の大手術以来、帝都大医学部の医師や教授らとの交流が始まり、接待を兼ねた意見交換会やら、講義の依頼やら、学会へ論文発表などなどと本業? のほうでもヒマつぶしの機会はこと欠かなかった。
また夜にはプライベートで気分転換におしゃれな銀挫のバーによく飲みいくことが多かった。
とはいえ林檎子は12歳なのでアップルタイサーを1杯頂いては雰囲気だけを楽しんでいたようだ。
また気分がいい時は運転手の平川に一杯奢ることもあり、こういう時平川は決まってミルクセーキを頼みストローでチュウチュウ美味そうに飲むのが彼の常であった。そんな連れを林檎子は横目で見て、密かに隣にいるのが紀緒彦だったらなあと「ふう」と溜息がでるのが彼女の常であった。

などとそれなりに林檎子は公爵家令嬢ライフを満喫しているようであった。
しかし、そんな華やかで麗しく煌びやかな林檎子に反し、他の黒荊家の者たちの表情は陽気さや明朗さに乏しく、日増しに陰気で暗澹としたものに変じていった。
それは君主の才蔵をはじめ、使用人に至るまで一様であった。
どことなく会話も弾まず、誰しもの瞳に輝く明日への希望というものが微塵も感じられなかった。
とかく家中の空気がとても重いものであった。
そんな家人の心を曇らせる原因はやはり財閥の経済的な危機にあると林檎子は感じていた。
そして黒荊家のため、但しそのうちの97%は紀緒彦のためではあるが、財閥経営に助力しようとある手段を用いた。

その日、帝都中央区の黒荊財閥本部で大帝都銀行とこと重大な協議が行われていた。
なんでも大帝都銀行側から黒荊財閥への融資の凍結の申し出があり、最終的なトップ同士の話し合いとなっていた。
メインの銀行からの融資がなくなれば大赤字財閥の存続はもはや不可能になる。
才蔵をはじめとする経営陣は背水の陣でこれに臨むも、銀行側を説得するだけの経営回復の打開案はほぼ皆無であった。

「お嬢様いけません! 今、お父様は重要な会議中で……」
廊下で女性社員の声が響いた。
と同時に黒荊財閥本部の第一会議室の重厚なドアが「ドン」と開けられた。
眉間が皺だらけの難しそうな顔をした双方のお偉いさんが一斉に振り向くと、そこに黒い服を着た銀髪の少女の姿があった。
「おお、林檎子か!」ととたんにっこり満面の大親バカ笑顔の才蔵がその闖入者である愛娘林檎子を諸手を挙げて歓迎した。
林檎子はぺこりと子供らしく一礼し、「ん、どうしたんだい?」と近づいてきた才蔵に一通の封筒を渡した。
「なになに、黒荊財閥再建の計画書。おおっ、そうかそうか、わざわざこれを作ってきたくれたのか、うんうん、そうかあ偉いなあ林檎子は……」
と才蔵はまるで小学生が描いた父親の似顔絵でも見るように実に微笑ましくその書類をパラパラ見ていたが、次第に真剣な目付きで熟読し始めると、「むうーん」と唸り、「こ、これを」と息を荒げながら大帝都銀行の幹部らの前へ差し出した。
最初は踏ん反り返って訝しげに書類に目を通していた大帝都銀行頭取も次第に「ふん、ふん、むうーん」と何やら食い付き気味に目の色が変わっていった。
企画書の内容は主に子会社である黒荊製薬で新薬の開発販売に関するもので、林檎子がオップスフォード医学部大学院在学中に国際特許を取得した5、6種の薬(いずれも不治の病とされるもの)を亡魂帝国での生産販売を第一段階とし、薬剤の大量生産を目的とした大規模製薬工場の建造、これを足がかりにした巨大化学コンビナートの造成をかなり具体的かつ現実的に記していた。おまけに今後興りうるかもしれぬ第二次世界大戦の軍事転用、軍事特需の記述も暗に含蓄していた。
そして銀行側からこの計画書において真摯な質問が矢継ぎ早に沸き起こった。
事態が掴めずに右往左往する財閥の首脳陣に代わり、「それではワタクシがお答えしましょう!」と林檎子がそのすべてを応対し、圧倒的な知識と巧みな話術をもってして次々に解決案を提示し、実に首尾よく銀行側の懸念を払拭し、企画の骨子を十二分に理解、納得させた。
「わかりました。大帝都銀行はこの件に対し500億亡魂円規模の融資を約束しましょう。さらに想定される軍部からの要請に当行は全面的に支援と協力をさせて頂きます」との力強いお言葉を大帝都銀行頭取よりその場で承った。
才蔵を始め黒荊家の経営陣は、安堵や嬉しいという心持ちに至る以前に、ただただあっけにとられポカーンと惚け顔をするだけであった。
その後、黒荊財閥は驚異的な業績回復と事業拡大の繁栄を迎えることになる。

シャッパーン!

夜も更けたころ――黒荊家二階にある林檎子専用の浴室。
そんな昼間の大活躍も一顧だにせず、今回もバスタイムにある林檎子が薔薇の湯船から身体を浮上させた。
「林檎子お嬢様、お着替えをお持ちしましたー!」
とタイミングのいい声にまたも石鹸を踏み、またも転びそうになるのを今回は堪えて、
浴室のドアを開けると、満面の笑顔でバスタオルを抱えた専属メイドの堀部留衣子がいた。
何故か林檎子も満面な笑顔で留衣子に顔を近づけるとこう告げた。
「留衣子さんっていったかしら、お願いがあるんだけど……」
「さんなどいりません。留衣子とお呼びください。お嬢様のお願いでしたらなんなりと……」
「では、留衣子、あなたも一緒にアタシとお風呂に入りなさい!」
「え、ええ~、お嬢様と一緒にお風呂にですか!?」
「そうよ、今から一緒によ、ウフっ」
「でも、な、何故です? どうして私なんかと……」
「ただの読者サービスよ、今回は特にオチもないし」
シュル、シュル(林檎子が留衣子の衣服に手を掛ける音)
「は、はあ、そうですか……」
「ウフフっ、早くしなさいよ!」
「は、はいっ……、林檎子お嬢様!」

カポン、カポーン、シャッパーン!

「ウフフっ」
「……、お嬢様……」

夜はさらに更けていった。
p241
そんなカンジかな…(林檎子)
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まんまるに