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その日、「由良まひろ」は亡女社長「上原五十鈴」に呼ばれ、とある企画書を渡された。放送中の「釣りバカガール」に続くTV出演の話と聞いて俄然やる気が出たものの、そのタイトルを見るやいなや体が固まってしまった。そこには「絶対本域ガチ対決 アイドル女子レスラー 由良まひろ 対 最恐武術師範 結城虚空蔵」と銘打たれていた。由良「はい………!?」 上原「BTV系のゴールデン枠で全国放送ですってよ、良かったわね、まひろん♡」 由良の断りたそうな目を上原は目ヂカラで全力ブロックした。確かに前回の釣りバガーでかの結城虚空蔵は社交辞令でそんなことを言ったが、まさか実現するとは思ってなかった。おそらく番組Pと上原の陰謀論の疑いもあったが、ここは虚空蔵の顔を潰さぬようしぶしぶ承諾することにした。――試合はエキシビションマッチとし、基本プロレスのルールが採用された。但し道着とグローブの着用ありと、総合格闘技寄りの打撃が認められてる特別なものであった。――そして試合当日、会場は一般客に加え、局が用意したエキストラで客席が埋り、社長は放送席に解説者として収まっていた。また格闘界、格闘好きの芸能人らもリングサイドに招待され、色々と注目の試合となった。後は亡女の「新宮真希」、「結城明日香(虚空蔵の実の娘)」と、「葛西ミミカ」らがセコンドを務めた。試合のセレモニーとともに、局の若手アナウンサーが試合開始を実況した。まずはテーマ曲とともに由良まひろが入場し、いつもながらの声援と紙テープが華やかに交差した。しかし由良の笑顔は心なしかやや堅い感じであった。次に虚空蔵が門下生を引き連れ入場。テーマ曲は昭和の軍歌のような哀調が懐かしい曲であった。リングインした虚空蔵はここで鎖鎌を振り回しプロレス的なパフォーマンスを披露した。これに「うおおおおおおお!」と会場がいっきに沸いた。そして両者深く一礼し相対した。この時の虚空蔵の殺気やオーラは凄まじく、この間の釣りのときの気さくで優しい人物とは別人であった。見守るだけの新宮や葛西ですら萎縮するほどであった。しかし、ここは由良もプロ根性で気合いを入れ直し、真剣勝負の顔つきとなった。カーーーン! そしてゴングが鳴ると同時になんと間髪入れず由良が仕掛けた。まさかの強襲はタイミング抜群で、スピードに乗った蹴りが虚空蔵を捉えた、かに見えたが虚空蔵は謎の体捌きでこれをかわすと、返す刀で大きな後ろ回し蹴りを放った。この必中かと思われたカウンターの蹴りを由良は見事にスエ―した。由良の警戒心と反射神経もまた並みではなかった。そして改めて間合いを取り、ゆっくり構え直した二人に会場は惜しみない拍手が沸き起こった。その後、試合は間合いの探り合いといった形で二人はリングを回り、時折り足蹴りを繰り出す展開が続いた。由良は同亡女の結城明日香との数々の対戦の中で、結城一刀流の形や手の内は幾度も見てきたものの、射程距離や破壊力も明日香の上位互換である虚空蔵のポテンシャルは驚異的であった。唯一グランドに持ち込めば、打撃、投げ技主体の結城一刀流相手に活路を見出せるのでは、と考えた由良は終盤間際の近接戦に賭けた。ここは特攻精神で果敢にタックルを試み、フェイントのロー、ミドルキックを絡めながら、何とか虚空蔵の懐に踏み込んだ。ここで虚空蔵、その昔娘の明日香が我が胸に飛び込んできた記憶が蘇り、それがほんの僅かなスキとなった。由良がしめたと思った瞬間、虚空蔵も優しく微笑んでいた。次に由良のテイクダウンがすかされ、そのすれ違いざま、虚空蔵が由良の道着の袖を撫でたかのような身振りをした瞬間、 「え?」と由良の天地がひっくり返り、由良は頭からゆっくりマットへと沈んだ。それは合気の投げ技のような今まで見たこともない技であった。そして由良はそのまま何も分からずに、10カウントダウンを取られてしまっていた。――「わー」、「わーーーー」と大きな歓声があがり試合終了。由良と虚空蔵は握手をし互いの健闘を称えた。負けた由良も何故か敗北感も身体のダメージもなく、清々しい心持ちだけが残った。新宮や結城や葛西をはじめ、亡女のみんなや関係者やファンが二人の勝負を盛大に祝福してくれた。虚空蔵「この間の釣りと同様、まひろさんのお蔭で楽しい時間を過ごせました。また遊んでやってください。明日香ともども今後もよろしゅうお願いします!」 由良「こちらこそ、色々とありがとうございました! 今回の試合まこつ勉強になりました!! 虚空蔵師匠がよかお父様で明日香どんが羨ましかです!」と温かい言葉を交わしリングを後にした。この辺の件りは、番組の本放送ではカットになっており、ただ単に生意気なアイドルレスラーが武道の達人に懲らしめられる絵になっていたのが、由良には少し萎えではあったが、結果、釣り対決同様素敵な思い出かつ貴重な体験として本人は感無量であったという。

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p380
名前、年齢---サリー ガルシア(23)
ニックネーム-プレデターハンターキラー
身長、体重---178cm/79kg 
BWH----------95/67/97cm
血液型-------O型
所属---------WEE
得意技-------ブラジリアンキック、アナコンダ・チョーク
出身地-------アメリカ合衆国 フロリダ州
スタイル-----WEE ディーヴァ
人物---------パートナーのビッキー ジェニファーソン同様、
世界のトッププロレス団体WEEの女子レスラーで期待の大型弩級ホープ。
少女の頃より、ボクシング、カポエイラ、ブラジリアン柔術を修練する。
見た目は怖い系だが、パートナーのビッキーには献身的な気遣いを発揮する。
またA社製の最新、最上位機種のタブレットをこよなく愛する情強。
p376
名前、年齢---ビッキー ジェニファーソン(23)
ニックネーム-ミスター・アメイジング・アメリカンガール
身長、体重---179cm/85kg 
BWH----------100/69/99cm
血液型-------B型
所属---------WEE
得意技-------アトミックドライバー、アトミックミサイルキック、アトミックウィドー
出身地-------アメリカ合衆国 コネチカット州
スタイル-----WEE ディーヴァ
人物---------世界のトッププロレス団体WEE女子レスラーの超弩級モンスターペア
「オーバーキル・パワーズ」の期待の逸材。パートナーは「サリー ガルシア」。
来日早々、亡女のマットを桁違いのフィジカルとテクニックで震撼させる。
プライドが高く、あくなき向上心でプロレス界で世界のトップを目指す。祖国愛が強い。
将来の夢は米国大統領になり、自分の名前を冠した航空母艦を建造すること。
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「新宮 真希」&「結城 明日香」対「ビッキー ジェニファーソン」 &「サリー ガルシア」の続きの続きのそのまた続き。流血の激闘の末、勝負はV-GIRLS 新宮のリングアウト負けという残念な形で決した。タイトルの流出、それも海外……、で社長上原はもはや涙目であった。勝者のビッキーは腰に巻いた星条旗(中はノーパン)を気にしながらも、マイクを握ると客席がおおおおっ! とどよめいた。 ビッキー 「マキ・シングー、今回の勝負は私たちオーバーキル・パワーズの勝利に終わった。当然、亡女のタッグチャンピオンベルトはアメリカのWEEで預からせてもらう。だがここで終わりではない。マキ・シングーがこのベルトと自分自身のプロレスラーとしてのプライドを大事に思うなら、再び私にチャレンジすべきだ。本場アメリカWEEのリングで待っててやる。どうだマキ・シング―、……イフユーホープソー、なんならWEEに移籍して、私たちと一緒に世界のトップ相手に揉まれてみるか? ユーにはその資格はあると思う、アーハー!」 「うおううううううう!」 ビッキーの発言に会場が再びどよめいた。通訳の社長上原は後半声が心なしかうわずっていた。ここは新宮もマイクを取り、 新宮「ありがとうビッキー ジェニファーソン。ユーとプロレスができて最高に楽しかったよ! 亡女のベルトはさておき、確かに世界一のプロレスラーになりたいって願望はないこともないけど、でも私はアメリカへには行かない。私はここ、日本の亡魂女子プロレスでプロレスラーをやっていきたい。私にはここがすべてだし、ここが世界一のプロレス団体だと思ってる。それが今はまだ違うのなら、私がいつか世界一のプロレス団体にしたったるわ! ……私な、ここを少し離れて分かったんだけど、ほんと亡女が好きやってん。ここのリングが、ここのプロレスが好きやってんな……、だから私はここにいる。ずっと……、みんなと……、一緒に……、(ここにいるよ)」 ビッキー&サリー、しばし言葉をなくすもその表情は満足げであった。そしてパートナーの結城明日香はいつもの苦笑いでいた。社長上原が一瞬目頭を指先でゴシゴシしていたという。会場はここにきてなんだかウエットなムードになり、その後誰も新宮に野次や罵声を飛ばすこともなかった。――そして、このタイミングで 「ちょっとみなさんいいですかーーーっ!」 とそんな空気をバッサリ切り裂く金切り声、それも聞き覚えのある声が会場に響いた。すると花道に飛び込みで二人の選手が姿を現した。ド派手なジャケットと大きなスーツケースを引きずって登場したのは、今まさにアメリカ帰りなうの「神崎嶺」と「日向明美」であった。二人とも肩にチャンピオンベルトを引っ掛けていたため会場全員が大きく目を見張った。神崎「日本のあーしファンの皆様 お久しぶりーーー!! それから、ハイ、ビッキー&サリー うちらの留守の間ありがとよ! 予想以上に盛り上げてくれて感謝するぜ! で、これほんのおみやなんだけど」 日向「手に入れるのチョー苦労したんスから!」と肩にかけたベルトを放り投げた。手にしたビッキー&サリーはそれを見て驚いた。それもそのはず、それはWEEのコンチネンタルタッグチャンピオンベルトであった。神崎「なんならそのダサいベルトと交換してよ。ユーらにゃ似合わないだろ」 ビッキー「フーーーッ、なんてこと!? ……OK、 レイ! 仕方ないわ、今日の処はタイトルのバーターといきましょう。でも私は亡女のベルトも欲しいの。ジャパニーズ亡女入ったから。だからまたここに来ることにするわ。その時はマキ・シングーのいうとおり亡女が世界一の団体になっているともっと楽しみね! じゃあ亡女の選手の方々、そして日本のファンのみなさん、サンキューソーマッチ、アンド、シーユーアゲイン!」 サリー「グッバイ、ハバナイスディーーー♡」 ――とオバーキル・パワーズの二人は大歓声に送られ去っていった。やれやれと神崎嶺はビッキーサリーが置いて行った亡女のベルトを拾い上げ、リング下の新宮、結城に向かっていった。「オラッ、ブサ真希! おまえと明日香のブサガールズと私とアケとでこのベルトを掛けてやってあげようか? 私の帰国凱旋記念の一巻として、どうよ?」 客席「おおおおおおおおっーーー! やったれー!」  ここで新宮、リングに駆け上がり、 新宮「もちろん! 謹んで御受けしてやろらっ!な、明日香!」 明日香「真希に同じく是非に!」 と同じくリングに登る。しかしここで社長上原が神崎からひょいとベルトを取り上げ、上原「このベルトはもともと空位のものなんだから勝手に試合を組まないでくれる。これは今まで通り私が預かります」 神崎「な、何でそうなるんだよ? このベルトはうちらがビッキーらと正当に交換したもので、当然所有権はうちらに……」 日向「そうですよ! ここで自分らがいなけりゃ、いまごろこのベルトは海外流出してたんスよ」 新宮「そうだ! 試合も出ない何もしない社長はすっこんでてくださいよ!」 結城「…………(頷く)」 上原「フフン、ならこうしよっか、このベルトを賭けたタッグリーグ戦を開くというのは……、もちろん今回は私も参加の方向で、どうでしょうお客さん方?」 観客「うおおおおおおおおおお! タッグリーグかい!」 「うーーーん、上原が久しぶりの参戦かーーー!」  「頼んますから、絶対やってくれーーーっ!」  上原「もちろん私は夕月さんと組むわ、他団体の選手も招待して、亡女の一大イベントにするつもりよ!」 神崎「ヒョウー♡ 悪くねーな!」 日向「そう来なくっちゃっス☆彡」 そして新宮は結城とがっちり手を組みむふんっと頷くと、お互いの瞳に灯る希望と喜びと闘志に溢れる光を確かめあった。そして振り上げたお互いの手をさらにぎゅうと握りしめ、プロレスラーになってよかったこと、新宮と結城がお互いパートナーであってよかったことをお客さんの大歓声とあふれる拍手と眩しく熱いスポットライトの中、その思いを強く強く実感するのであった。(終わり)
p363
この間のケガで社長から自宅療養を言い渡されたんよ。
ばってん、こげんよか天気の日にじっとしてられんちよ。
そんで横浜の先の金沢八景までチヌ(クロダイ)ば釣りにいったたい。
じゃが半日きばって、釣れたんはこの子一匹よ。
んでも青空の元、きれいな海に囲まれての時間はまこっつ最高の元気回復のリフレッシュばいね。

あ、ウチ今度釣りの番組に出るとから、そっちのほうも応援お願いしますとよ♡