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魔少女旋風 ナハト×マギカ
第二十二話 「澪×アリサ」 

注意)エロ回につき 良い子は閲覧不可 もちろん良い子じゃない子は閲覧可!
「(おなかペコペコリーヌだし、帰りたい、けど帰ったらあの上級生たちに何言われるか……、はあ……、もういっそ死にたい……)」
マギカ千夜一夜城に囚われた風魔忍者処女衆の澪は、暗い牢の中でお縄に縛られ、空腹と孤独と将来への不安に身悶えしていました。
とその時、
コツ、コツ、コツ
「(ん、いい匂い♡)」
何者かの足音と共に、何やらおいしそうな食べ物の匂いが漂ってきました。

「おい、忍者くん、ご飯を持ってきてやったじぇい! 有難く思えよ!」
 
と食事を運んできてくれたのは火属性の魔法少女のアリサでした。
「これはマギカ様が拵えてくれた特製クリームシチューなんだわさ! 悶死するほど美味しいぜや!」
「ゴクリ、(ごぎゅうるる)」

涎を飲みこむと同時に下品なほどお腹が鳴る澪でしたが、この時ニコニコとこちらを見ている敵魔法少女のアリサが腹立たしく思え、
ここは忍者処女衆の意気地をみせ、アリサの手に乗せられたシチュー皿を全開パワーで足蹴にするのでした。

ガスッ!! ガチャーーーン! 

「あ、おまえ何てことすんだ!」
「ケッ」
バシン!

澪がそっぽを向いたその反抗的な頬を、平手で強打するアリサでした。

「こら! 食べ物を粗末にするのは命を粗末にするようなもんなんだぞ! シチューの全食材に謝れ! あと拵えてくれたマギカにも! マギカがどんな思いでこれを拵えたかわかっとんのけ! マギカはMPを負傷したみんなへの治癒魔法で使い果たし、ヘトヘトの体で拵えたんだぞ! それをおみゃーさんは!」
「フン! そんなの知るかっ! こちとら命なんてどうだっていいもんね。全然惜しくありませーん。忍者処女なめんな! 貴様ら魔法少女の情けや憐れみを受けるくらいなら死んだ方が全然っマシ! どうぞどうぞコロしてくださいな! てかコロセ! さあコロセ! 今すぐコロセ! コロセ! コロセ! コロセ! コロセったらコロセっ! お頼みしますからコロしておくんなまし! いいえ、死にたい! 死にたい! 死にたい! 死にたい! 死にたい! あー死にたい! 死にたい、死にたいよおおお! 今すぐ死にてーんだよ! アタシは! あー死にてええよおおおっ(泣)」

「(え……、な……、こやつ、いっしょだ……、少し前のあちきと同じことのたまわってやがる……)」

この時、アリサはほんの数か月前、まだマギカと出会う前、人間の学生だった頃のひねくれモン陰キャメンヘラ自殺志願者キャラだった己に今の澪の姿を重ねるのでした。
そしてここは自殺志願者上級者(とういうか生物学的にはすでに死者)ぶりを発揮して、自殺志願者にわかの澪に提言するのでした。
「はあ……、おまらってすぐそれだ……、本当、死んだことのないヤツは思考が浅いわ。。。」
「はっ、何上からものいってんの、あんたたち魔法少女って何か偉いの? 何様なの?」
「ま、準神様ってとこかいのう、偉くてたりめーじゃん! ほぼほぼ神に等しき存在なんよ、ぬしら下等なノンペとちがってねん♡」
「へー、じゃあほぼほぼ神様に等しき存在ならアタシの願いをほぼほぼ聞いてくれるのかなあ?」
「場合によりけりだけど、一応チミのその願いとやらをいってみ?」
「さっきもいったけど、アタシをコロセよ! もしくはお前が死ねっ!」
「うーーーーん、アチキが死ぬのはナシとして、じゃあチミを殺す方向で……」
「っ!?」

ここでアリサは悪い顔をすると指をパチンと鳴らしました。
「えっ」
すると澪の着衣の忍者装束の表面を、無数の火花が導火線を辿るように、前後左右縦横斜めに走りました。

「え、え、ええ」
ハラ、ヒレ、ホロ……、とその不思議な魔法の火花により、澪の着衣が切断されていき、すべて小さな布切れとなると、肌を離れ散り散りに舞落ちていったのです。
ただし澪を捕縛しているロープはそのままで、無事役目を果たしておりました。
何だか理解が追いつかないうちに強制脱衣されてしまった澪は、しばらく一糸纏わぬ姿(但し一縄か二縄は纏ったまま)のまま固まっていました。
しかし即座に我に帰ると、女子の条件反射でおっぱいと股間を隠そうとするも、いまだ手足を縛られた状態ではそれらすべてをカバーするのはやや難しかったのでした。

その隠しきれぬ片方の乳房に覗く乳輪の端っこや、脚の間のわずかなハミ毛を見逃がさなかったアリサは、
「むふうううん!! ごぎゅり」 と大きく吐息と生唾を飲み込むやいなや、何やらとても怖い顔になり、怯える澪を床へと押し倒したのでした

どさ!
「(ンぐ……!!)」

緊縛の状態でグランドに組み敷かれた澪は、「理非知らず」 という良い子も知らないであろうポーズを余儀なくされ、反撃もガードもままならず、アリサにHなマウントを許してしまったのです♡
がっつり澪をサブミットさせたアリサは、何を思いついたのか、いそいそとマイ魔法ステッキを取り出し、おもむろにそのマイ先端部分を抵抗にわななく澪の生フトモモの間に滑り込ませたのです。
「あっ」 と澪は冒涜的な棒状的なモノが自身の下半身のある箇所に最接近し、本能的に厭な予感がしました。
いえ厭な予感がしたときには時遅しで、すでにその先っぽが澪の胴体最南端の割れ目地帯に当たっていたのです。
「ひいいいっ!」
そしてさらに……、
「い、いやいやいや! いひぃん、いやあああああああーーーーーっ!!」
などと澪が声にならない声を発し、そしてその、何と申しますか、その、つまり、とにかく人にはとても言えない風魔忍者処女衆澪の女の子の一番大切な部分、ヒント「(◎)」に直球ダイレクトにもアリサの大事な棒状かつ竿状のイチモツがいっきに押し入ってきました。
「あっうっ……!!!」

ずぬぷう……

さらにそれは少女の肉襞の許されぬ這入口を裂いてその奥の奥部まで深く闖入して参りました。さすがの澪もこれには参り、
「おっちけぺけぺええーーーーーーーーツ♡」
と澪は未知の痛みと恐怖のショックで、すでに精神が錯乱し、意識が混濁したのか、この世のモノとは思えぬほど妙ちくりんな叫び声をあげました。
片や責め側のアリサは興奮した目が真っ赤に血走り、己でも怖くなるほど呼吸が大きく乱れ、異常な鼓動がもはや破裂寸前のそれでした。
「はあはあはあはあはあはあはあはあははは……♡」
激しい心拍数の上昇に伴い、アリサのステッキを握る手が小刻みに震えだし、次第にそれが大きくなり、ストロークが長くなるとともに、最後には激しい律動となり、澪の内なる処に激情の波情攻撃をもたらしたのです。
終いにはそれが大津波となって、澪の全身を吞み込んでいくのでした♡
「うぎゅうううう」
澪は激痛と羞恥のハイブリッドな苦悶の表情のまま、また何か未知なる宇宙世界の深淵を覗き見るような禁忌で秘められた快楽の蠱惑を垣間見た刹那。
そして同時にアリサの興奮が烈火となり、理性と感情の境界線をまとめて大噴火ビッグバンさせたころ。
「ブボオッオオオオオオオオオオオーーーーーーーーーーーッ!!!」
澪の大事な箇所ににズッポシ収まっている魔法ステッキの先端部分から、マグマか臨界濃縮ウランのように滾る情熱がリアルな焔を発し、その奥の奥で発火、炎上してしまったのです。
「あぎゃあああああああああ!!!」
○◎○を焼かれ澪は悲惨な絶叫をあげ、大きく仰け反った体を幾度か痙攣させ、ついにはぐったりと動かなくなりましたいました。
ここで大古の昔、地母神「伊耶那美(イザナミ)命」が、火の神「火之迦具土神カ(ヒノグツチノカミ)」を生んだ際、女陰を焼かれ死んでしまった説話を思い出したアリサは、
「し、まっ……つた、やっちまったわさ!」
アリサは澪が、逝った(リアル死去のほう)と思いアワアワと狼狽えました。
静かな水面を漂うよう儚い花びらのように、それでもまだわずかな息を続ける澪、それを見守る今のアリサの心情は、風にざわつく蝋燭の灯のように心もとなく揺らぎまくるのでした。




同じ頃、前の戦いで小原崎城を落とし、風魔忍者処女衆&マギカスレイガー連合に圧勝した、マアリャ、エルザ、リリーの魔法少女新チームはそのまま北上し、次は帝国軍の首都防衛の重要軍事拠点、陸海軍共同工廠厚木航空基地に対し、近くに寄りましたのでご挨拶かたがた的にカチコミをかけたのです。

基地を管轄する統合統制官X氏が今日も書類に己のスナイパーのごとく角度も位置も正確な押印に自己満足しおりますと。
緊急警報のサイレンが鳴り、「魔法少女接近! タダチニ迎撃準備ニハイレ! コレハ訓練デハナイ! 繰リ返ス、コレハ訓練デハナイ!」
との警報を聞き、窓の方へ振り向くと、

「にひい」

と頭髪を無数の蛇頭を備えたマアリャが空中から微笑んでいました。
そして次の瞬間、
「バリバリバリバリバリ! ドゴオオオオオオオオオオオオオオ!!」
と管制塔はマアリャの9又の蛇が放った引力光線で撫で斬りにされ、大きな炸裂音をあげ崩壊し、あとは骨組みさえ残さず夥しい瓦礫の山となりました。
他の建屋や設備はエルザが魔法の大鎌で寸刻みに分断し、スクランブル中の戦闘機や戦車などはリリーは素手や素足で打撃し大方スクラップにしました。
その時点で、基地の全兵士は武器を捨て両手を上げて、国旗掲揚台には大きな白旗が掲げられ、一切の抵抗もなしに全面降伏したのでした。
時間にすると、ものの3分とかからないウルトラマンばりの尺に収まったのです。
その際、ある格納庫の床が抜け、地下になにやら銀色に光る秘密兵器、ヒト型ロボらしきシルエットが覗けましたが、そこはマアリャが何故だか見て見ぬかの如くスルーしました。
ここでさらに勢いにのった新参魔法少女のエルザとリリーでしたが、
「クーーーーっ! 破壊最高っ! のってキターっ! マアリャさん、ここはこのまま北上し、首都帝都を陥落させちゃいますううっ? てってー的にやっちゃいますううっ?」
「あはーーーん、今の私たちならきっと朝飯前ですわよ♡ さっさと人間どもを殲滅してランチにしましょう♡」
とノリノリイケイケのエルザとリリーに対し素のマアリャがいうには、

「ふうー、もうこれくらいでいいでしょ、もーこーいうの私はやめちゃってもいいかな、てゆうか、やめやめ……、やーめたと! あとはダルイから人間たちとマギカたちにお任せで。あ、てことだから私たちはここで解散だからね! いままでありがとうございました。今後のお二人のご活躍をお祈りいたします。じゃあね、バイバイちゃちゃーーーん♡」
とリーダーのマアリャはまさかの盛り下がりで消え入るように場を去っていきました。

「はいっ???」
「えーーーと、あのーーー……」

残されたエルザとリリーは啞然とし、しばらく寂しそうに地上2,000メートル上空付近を漂っておりましたとさ。




次に澪が目を覚ますと、引き続き良い子は閲覧禁止な図が我が身に展開されておりました。
外はすでに東の空が白んでおり、気怠い余韻が牢獄中に充満されておりました。
意識がはっきりするにつれ、澪はあいも変わらずそのまま全裸開脚されている己の有様を認めました。
そしてその恥ずかしく開かれた両脚の支点の内にある○◎○にとても名状しがたい違和感を覚えました。
それは昨日負った竿魔法少女アリサの魔法ステッキ暴発による火傷のダメージの痛覚とは異なる、
とてもくすぐったく、ともすれば癒されるような悪い感覚のものではありませんでした。
彼女が自身の身体の下方を見ると、件のアリサが股間に顔を埋め、澪自身の○◎○自身に舌を這わせていたのです。
そのアリサもまた、どういう理由かは知りませんが、着ていた服をすべて脱ぎ捨ててのスッポンポンのフルヌードの全裸でした……。
澪は事態がのみ込めずにいましたが、このアリサの行為に悪意や背徳的なエロ意は微塵も感じませんでした。
そしてすぐにそれはアリサが火傷した澪の○◎○を治癒するたの献身的な治療行為であることを理解し、すこしメンタル面も癒されるかのようでした。
しかしながらアリサの舌使いがとても技巧派で、ここで変な気持ちよさを意識してしまうと、今度は澪自身がエロの誹りを受けてしまうとの懸念もあったので、彼女は努めて平素の呼吸を保ち、声を殺し、ノーリアクションに徹していると、
「ん、お目覚めかな、よかった、もう大丈夫だぜや! あちきはヒーリング魔法は得意じゃないからペロペロするくらいしかできないけど、きっと水属性ヒーラーのおみゃーさんのお◎さんの御汁が自己治癒に一役買ったんだろうにい……」
アリサは体を起こし満面の安堵の笑みを澪に見せました。このとき全裸のアリサが眩しく見えたのは、彼女のその意外にナイスバディなプロポーションばかりではありませんでした。

「(…………!)」
そして澪は顔を真っ赤にして背を向けました。
アリサは体勢を変え、寄り添うように澪の背中に自身のやわ肌を密着させると、澪の御汁まみれの唇を澪の耳元に近づけ、
「澪、美味しかっいたよ! 懐かしい海の味がした……、海藻の下に蛤とかいたし、あとフジツボも……」
などとアリサ一流のお下劣エロオヤジキャラぶりを前面に出していき、少し気を許した(すでに体も許した)澪にかてて加えてセクハラ、もしくは言葉攻め、犯罪まがいの♡スキンシップを図るのでした。
「やだ♡、何言ってんの、もう、死にたいっ!」
と澪はのたまいましたが、前日のような死にたいのニュアンスとは少しばかり異にしていたようでありました。
アリサは「フー」と首を振り、
「澪は死にたいって、死にたいっていうけどさあ、人間って、一人で勝手に死を選んではいけないと思うんだよ、ウン、もし死んだら例え一人でもそれを悲しむ誰かがいてくれる限り、人間に死んで良しとする理屈なんてないはず、いや、むしろその一人のために頑張って生きていく義務と責任があるんだよおなあ! きっと、ウンウン……」
「アタシにはそんな誰かなんていないよ、アタシが死んで悲しむ人間なんて……、誰一人といない、この世界中のどこにも……」
「それがいるんだなあ……」
「え?」
「ここに、一人……」
「(んっ……!?)」

そして二人は手を取り合い、支え合うように半身を起こすと、しばらくお互いの瞳をしっかり見つめ合い、誰に言われるでもなく、それぞれのマスクと眼鏡を互いに外し合って、その間近にある素顔を改めて確認しました。

「(マジカワイイ♡)」
「(やだ、イケメン……)」

この後、お互いの気持ちを確かめ合った澪とアリサの二人は、当然しゅき♡同士の若者がこの流れでやることをやり、朝から晩までむちゃくちゃいわゆる例の「事」へと及ぶのでした。(良い子は想像禁止♡)

そして事後のまた事後、澪の腕枕(アリサのおつぱいを揉みながら)の中で、アリサが呟きました(澪のちくびを弄りながら)。
「ねえ、どこか遠くへ行きたい……」
「ああ、アタシも同じことを考えていたよ。このまま何もかも捨てて、二人だけの永遠の世界に……」

そして明け方近くに二人は手を取り合って城を抜け出しました。
入り江の岩場に澪があらかじめ隠しておいた小舟があるのでした。
二人は舟で沖へ出て、海流に乗り、遥か北の海にあるというある遠い島を目指してたのです。
ふとアリサが城を振り向き、いつものマギカらの部屋を見ると、はたしてそこにマギカとポピンをはじめ魔法少女の仲間たち、キララ、ルカらが手を振る姿があるではありませんか……。
魔法少女の仲間のみんなは、優しい微笑みで二人の旅立ちを見送ってくれたのでした。
すでに始終をお見通しで、そしてすべて許してくれたマギカと仲間たちに対しアリサは嬉し涙を堪えきれませんでした。
こんなに温かい涙は人間だった頃、一度でも流したことはあっただろうか。
そして気が付いたのは、そのしっかりと掌に伝わる澪との絆と絆の温かさ。こんなに確かな愛の手応え、安らぎ。
そしてもう孤独でない素直で強く優しい心を手にした自分という祝福された存在……。

しかし、空が狂った朝の光を孕みはじめた頃、そんな幸せな二人を脅かす断罪の試練が立ちはだかるのでした。
ようやく松林を抜け浜辺に差し掛かった二人の背後に、殺気がかったプレッシャーがジリジリと這い寄りました。

「カカカカカカ!」
「くっくくく」
「ムフフフ」
「けっけっけっけっけっ……」

「何者!」

アリサが索敵モードで周囲を見遣ると、七時の方向に松陰に潜む4つの影を補足しました。
その影の主は、

「卍摩利支天 ヒノネ」
「のざらし御行 夜魅」
「絡繰り童女 鞠緒」
「鬼姫夜叉 如月」

の風魔忍者処女衆でした。

「ほう敵魔法少女は一人とな☆」
「おお、でかしたぞ澪♡」
「こちらは五ニンならば多勢に無勢、よもや魔法少女とて討ち漏らすことはあるまいて……」
「ということじゃ、潔く観念せい! このマヌケ魔法少女メガネっ子がっ!」

それを見てアリサはほんの一瞬だけ動揺しそうになりましたが、澪がぎゅっと握り返した手がアリサの微弱な雑念を一掃しました。

とその時、間髪入れず「夜魅」&「鞠緒」の放った八方手裏剣の群れが弧を描きアリサに迫りました。

キンキンキンキンキンキンキン! ザシュ!

「うっぐ……」
澪がアリサの盾となり、短刀で手裏剣を数発弾きましたが、そのうちの一つが澪の上腕を掠めました。

「ど、どうした澪、血迷うたか?」
「貴様まさか、うちら風魔の仲間を裏切るか!?」

「何が風魔だ! 何が仲間だ! さんざん人を使えねーだの、イラネ―だの言っておいて、アタシはこれからアタシを必要としてくれて何より大切にしてくれるアリサの為だけに生きるんだ! 忍者なんてやってられるかバーーーーカ! という訳で本日を持ちましてアタクシ舟玉藻の澪は一身上の都合で風魔忍者処女衆を辞めさせて頂きます! 娑婆落ち御免ですう♡」

「ななな、(ガビーーーーン!)」×4ニン

「いこ、アリサ」
「ええ、澪、でも、ソ・ノ・マ・エ・ニ ハアアアアアアッ!」 
ブボオーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!

忍者勢の混乱に乗じ、今度はアリサが魔法で火の壁「レッドファイヤーウオール Lv.85」を展開し、忍者との間合いに炎熱による遮蔽物を形成しました。
「熱っ、熱っ! ぬうう、これでは容易に近づけぬわ!」とのこと(by忍者ちゃんズ)。

その間に澪とアリサは入り江の小舟に乗り込むと、二人は海原へと全力ダッシュで漕ぎ出しました。

レッドファイヤーウオールを迂回して岬の岩上に駆け登った4ニンの忍者ちゃんズ。
朝日を映す穏やかな凪の海に澪とアリサを乗せた小舟が進むのを見つけますと、
「南無八万大菩薩! この距離なら一発必中! 一撃必殺! 至極楽勝! 魔法少女の「ソウル・コア」と裏切り忍澪の心の臓を同時に射抜いてくれようぞ! カカカカカ!!」と大きく弓を構えたヒノネことヒノ姐が高らかに笑うのでした。
夜魅、鞠緒は息を呑みこれを見守りまする。
如月は念仏でも唱えるように目をつむるのでした。
澪とアリサの重なりあった胸に狙いを定めギリリーと弦を引き絞り、そしてビヨゥンと矢を放ちます。
「ビョオオオオオオオーーーーーーッ! ギュイイイイイイイイイインン」
音速を越えたヒノネの矢は光を発し衝撃波を伴い獲物に向かっていきます。

すると突如、一迅の風が吹き荒れ、矢はわずかに流されターゲット澪とアリサの髪を掠め、そのまま水平線の彼方にに消えてしまいます。

「んんむ、是非もなし……。しかるに奇妙な風が吹いたものぞ、こは風属性の如月殿はどう見る? カカカ……」
「……何が言いたい、某が澪への手心に風の術を使ったとでも? もっとも貴様の手元が狂った言い訳にしたいなら、そういうことにしてやろうではないか、フフフ」
「ふっ、ではそういうことにしておいて頂くとするか、カッカカカカカカ!」

そしてヒノネはニの矢も番えず、また夜魅と鞠緒もどこか安堵の目で黙して語らず、あげく呑気に海鳥を眺める如月を含め4ニンの忍者処女衆三年生上忍組は久しぶりの晴天の元、なんなら鼻唄混じりに一度帰還するのでありました。

p384
平和なエロ回でした♡
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魔少女旋風 ナハト×マギカ
第二十一話 「クリームシチュエーション」

長い眠りから帰還したマギカは、まずマギカ千夜一夜城に身を寄せる傷ついたマギシタンら避難民(一部敵の負傷者含む)に対しMP全開の治癒魔法を施し、あとは残された生身の手腕をもって避難民にささやかな夕餉を用意をしました。

本日のメニューは、あったかクリームシチューでした。
このマギカ特製のシチューは、なんでもごろごろジャガイモの茹で加減がこだわりで、あとはニンジンをお花やハートの形に刻むのがポイント、隠し味は生姜とチーズだそうです。
味見したルカが「グー! おふくろの味だね♡」とベタ褒めされ、マギカはとても嬉しくなりました。
そのとき、マギカは魔法など使わなくても、真心のこもった料理であったり、素直な優しい言葉であったり、温かな人の情けや絆であったりと、そんなことで人間はすぐに幸せになれる。寂しさから傷ついた心を救うことができる。
と再確認したのでしたが、すでに国家レベルでその人間たちの大多数と敵対関係にある現状に於いて、もはや時遅しかとのネガティブな感情もまた心に暗く巣くうのでした。

しかし、マギカはそんな沈んだ思考を払拭しようと、努めて明るく振る舞うのでした。
シチューのワゴンの特大お鍋を転がしながら、「おーい! みんなー、ごはんだよー♡」と学校の給食当番のように城主マギカ自らが避難民のみんなの前に現れると、
「うわああ! マギカ様ー」、「キャー、救世主マギカさまー!」、「マジ神マギカさまー」と場内にマギカを讃える歓声がどっと沸きあがりました。

「ハイハイ、ちょっとまって! その前に!」
「ここにいるみんなに確かめておきたいことがありゅらあっ!」

とここで、キララとアリサがご飯待ちのみんなの前に現れました。

「まさかとは思うけど、この中に敵のスパイとか、公儀隠密とか紛れ込んでないでしょうね?」
「ここ数日、入場チェックが甘々だったから、敵が潜入していないとも限らんわさ、主君マギカの命を狙われたらかなわんからね。じゃ、一応確認だけど、この中で私は敵のスパイですー、って人がいたら正直に手を挙げて……」

「シーーーーーン」
「はい、スパイはゼロと」
「じゃあ、スパイではないけど、公儀隠密、もしくは御庭番、ないし、どちらかというと忍者ですーって人?」
「シーーーーーン………………、(えっ!)」ざわざわ……。
すると、会場の一角が何やらざわつき始めました。その中心付近に小さく片手を挙手している少女がいたからです。

「はい、そこの君っ!」

アリサがその少女に近づくと、バキ! といきなり魔法ステッキでその子の脳天をブン殴りました。
「あいててててて……」
と頭をどつかれて蹲るその少女は、あろうことか正真正銘の現役忍者、風魔処女衆の「舟玉藻の澪」まんまその者だったのです。
大胆にも彼女は特に七方出などの変装もせずに、デフォルトの忍者装束のまま、まんまと敵地マギカ千夜一夜城に潜りこんでいたのでした。
彼女は得意の忍法で素のモブになりきることで、一般大衆に紛れ己の存在を隠していたのですが、素になりすぎてつい魔法少女の素のフリに対し、つい挙手をしてしまい、まんまとその正体を看破されてしまったのです。
「もしかしてあんたバカ?」
「とりあえずあっちで話そうか……」
とそのままアリサとキララに抱えられ、澪は城内の別室へと連れていかれました。

「あ、皆さんお騒がせしました。それでは今より特製クリームシチューをお配りますから並んで並んで!」
「冷めないうちに召しあがってね! おかわりもたくさんあるよー♡」
「うわおおおおーーーーー♡」
その後、マギカとルカは何事もなかったかのように、みんなに特製クリームシチューを振る舞うのでした。
もちろんマギカのクリームシチューはみんなに大好評でした。


「んまい、んまい! 実にうまかです! 」

同時刻、奇しくもクリームシチューに舌鼓を打つ、復活忍者ナハトがおりました。
彼女は昨夜、とある家の前でゆき倒れ、そのまま、その宅の女主人に介抱され、今しがた起き上がれるだけの元気を取り戻し、その女主人の手料理のクリームシチューを頂いている最中でした。
「この白い豚汁とてもうまかっちゃんでした。こんな美味しいものは前代未聞です。なんというか、拙者の全身の血という血が喜んでおります。本当にかたじけないのです。このご恩は八百万回生まれ変わっても忘れませんで候!」
「ぷふっ、大げさね。それにこれは豚汁ではなくて、クリームシチュウーっていう、洋風料理なんだけど、もっともハウセのお手軽料理だけどね(ニコ)」
「やや、これが噂の栗蒸しチュウ汁でしたか、どうりで南蛮風味でした」
「ところでナハトちゃん、っていったわね。あなたの随分古風な格好といい言葉使いといい、いったい何者ちゃんなのかしらん?」
「はあ、拙者は、何を隠そう忍者でござる。忍者ちゃんでござる―う!」とナハトは正直に答え、指でそれっぽく印を結んで見せました。
「へえ……、忍者ね。ああ、そうなんだ……(納得)」
「あれ、驚かないんでござるか? 忍者ですよ、忍者って、今日日忍者とか如何なものかと?」
「フフン、別に驚かないわよ。私は別に、それよりむしろ、私のこと知ったら、そっちのほうがよっぽど驚くと思うな、ていうか超ドン引くだろうな、ウン……」
「貴女様の正体でござるか? 特殊なお仕事されているとか、公儀隠密、御庭番、隠し目付けとかでござるか?」
「 うーーーん、仕事はしがない大学講師よ、ここで重要なのは私の血縁者である娘、これ知ったらかなり衝撃的かと思うけど……、そうね、じゃあ、ナハトちゃん、少しだけ立てるかな? 少しなら目は見えるわね。ではちょっとこちらへきたまえ(ニコ♡)」
「は、はい……」

とナハトはその女性に手を引かれ、隣の部屋に案内されると、そこはいかにもな少女の部屋といった感じでした。
ここで視力をかなりのところ失っていたナハトでしたが、不思議とその部屋にあるものだけは明瞭に目視で確認が可能だったのです。
先ほど聞いた話ではその女性は一人暮らしとのことですが、おそらく今はいない娘の部屋が保存、あるいは再現されていたのでした。
学習机、ヌイグルミ、本棚いっぱいの本、それは小学校上がりたてくらいの可愛い盛りといった女の子の勉強部屋でした。
ナハトが見遣った壁にはクレヨンで描いた「だいすきなおかあさん♡」のお絵描きが飾られていました。
そしてその絵には女の子本人と思われる名前が書き添えられていたのでした。

「えんどう まぎか」

嗚呼、それはなんという運命の偶然か、それとも何か超常的な意志による必然であったのでしょうか、
現在のナハトの最大の宿敵の黒魔法少女「エンダーサルバトレマギカ」こと、旧名「遠藤魔鬼伽」、そこには確かにその名が記されていたのです。
そしてその女主人「遠藤国子」はマギカの母であったのです。
母国子に見る面影や幼女期の写真からマギカ本人は紛れもない真実と断定されました。
その事実を確認したナハトは、ある程度は期待していたものの心の底から込み上げる「よっしゃあーーー!」というガッツポーズを伴いながら昂り荒ぶる気持ちと、それと同時に不思議と自分ではよく意味が分からない温かな涙が零れてきました。
それは先の戦いで、互いの生血を交換したマギカの血中の細胞成分、或いはDNA情報かが、ナハトの意識や感情を越えて、本人に代わり彼女の双眸に感涙を溢れさせたのでしょうか。
当のナハトは、異なる感情が混濁する様を覚え、自意識の下にある本当に小躍りかガッツポーズするモーションを堪えようともして、一先ず背中を丸め蹲ってしまうのでした。

「あ、おどろいた。 ……よね。ゴメン。これって私的に隠すのもどうかと思い、ナハトちゃんには何ていうか、最初に正直にいっておいたほうが……」
「ち、違うんです。驚いたのではなく、大変感動しているんです。拙者、マギカさんのダイダイ大ファンなれば、もう死んでもいいくらい嬉しくて……、ていうか拙者、マギカさんになら殺されてもいいとずっと思ってて(泣)」

それを聞くと、とその女主人=マギカママの表情がぱあっと明るくなり、

「いっておくけど、私なんかマギカのファン第一号だからね♡」

と母遠藤国子は高いテンションでナハトの台詞にかぶせてくるのでした。


場面は変わって、再び小原崎城。ここはかつて魔少対のマギカ千夜一夜城に対する最前線基地であった拠点でした。
そして今、ここに全国から集まった帝国政府公認の民間人有志による魔法少女討伐集団、及び魔法少女狩り(マギカスレイガー)らのツワモノ共が密かに集結していたのでした。
彼らは籠城で疲弊している魔法少女らに、今宵襲撃をかけんとチャンスを伺っていたのです。
鳥羽伏見の戦いで敗走したランキング上位グループ「バックファッカー」、「残虐天使」らの残存メンバーを中心に、1000人規模の戦闘員が息を潜め、夜討の準備を整えていたのです。
ここで彼らを陰でアジテート、すなわち煽動していたのは、やはり風魔忍者少女衆でした。特にヒノネ、夜魅、鞠緒、そして如月を加えた三年生組は巧みな情報操作で、各地のスレイガーたちを呼び集めたのですが、実のところ、スレイガー連中を囮か捨て駒にし、魔法少女を城外におびき出したところで、両者をガチバトルでぶつけ合い、願わくは魔法少女の戦力が削られたところで参戦し、美味しいどこどり漁夫の利作戦を弄していたのでした。

天守でリーダー格の一人、ヒノネが戦場を想定した地図と睨めっこしながら呟きました。

「時に澪からの連絡はなしか」
「きゃつめさてはぬかりおったな、ほんと使えねーなアイツ……」
「ウフフ、今頃は取っ捕まったか死んでんじゃねーかな、強キャラでもエロ要員でもないし、どっちかっていうとカマセくらいしか出番ないからいいんじゃないかなー別に」
と夜魅と鞠緒が冷たいことをいうと、
「(澪……)してどうする、敵陣の状況も分からぬが、こうしておっても埒があかぬ、早々に連中らをけし掛け、いっきに敵本陣へ撃って出るか」
ともう一人のリーダー如月(といってもチーム如月は全滅状態)が口を開きました。
「そうだな、そろそろ頃合いか、ここいらで魔法少女と一戦交えるか おっと、その前に飯にしようか、腹が減っては戦が出来ぬというではないじゃんか! カハハハハハ!」
とヒノネが気前よく笑い、持参した重箱を広げ皆の前に並べると、忍者らは腹ごしらえタイムをとるのでした。
「ようし連中に進軍の合図を送れ、馳走を食べ終わるまではもってくれるだろうな、カハハハハ」

ヒノネら忍者処女衆は、戦の前半戦をスレイガー勢に任せ、飯をしたためながら天守より高みの見物としゃれこむ予定でしが、その天守の上空に、そんな忍者処女衆をさらに高見の見物としゃれこむ一団がありました。

「くっくっく、さってと」

その者らは敵である3人の魔法少女でした。
マアリャ、エルザ、リリーの別動隊トリオでした。
ここはエルザが魔法ステッキを大型の鎌「バスターサイズ」にシフトチェンジすると、それを大上段に振りかぶり、天守の大屋根めがけ叩きつけたのでした。

「ん、みんな避けろ、衝撃に備えよ!」

上空で危険な気を察知した如月が叫ぶと同時に、

ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーンっ!! ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガン

と城の天井と屋根の梁や瓦が、まるで土砂崩れさながらに降ってきました。いえそれどころかその衝撃が、そのまま床板を突き抜けると、城本丸の屋台骨を大きく揺らし、巨大な構造物の崩壊を誘発いたしました。

忍者処女衆4ニンは一斉に天守の窓から跳躍しました。

崩れ落ちる瓦礫や重箱の御馳走を横目に、何とか全壊ないし半壊以下に残された梁や柱にしがみ付く者処女衆4ニンでした。

するとその頭上から嘲るような声がしました。

「おー、いるいる!」
「ゴキブリ、じゃない、ここが忍者ゴミ虫共の巣窟であったか」
「さっそく駆除しなくっちゃね。ばっちい下等生物さんたちを♡」

依然忍者たちをロックオンしている魔法少女エルザとリリーと、そして好戦的に豹変したマアリャらがバトルを挑んできたのです。

「ふふ、魔法少女めが、貴様らからおいでなさるとか、打って出る手間が省けたというもの」
「とんで火に入る魔法少女ゴミ虫ってね」
「ここであったが今生のサヨナラじゃ!」

そこで本丸が盛大に崩れて落ちたため、異変に気付いたスレイガー連中たちが引き返してきました。
忍者ちゃんたちは当初の予定通り初戦には参加せず、ここは各自身散開しなりを潜めて様子見としました。
スレイガー連中らのマシンガン、ロケット弾が一斉に火を噴き、夥しい火線が上空の魔法少女目掛けて放たれました。
魔法少女ちゃんらは面倒くさそうに手のひらや魔法ステッキで弾着を払い除けていましたが、なかなか人間どもの攻撃が止まないのでやはり面倒くさそうに反撃に転じました。
エルザが懐から何かのカードを数枚デッキにして取り出すと、何やら札を切りながらブツブツ呟き始めました。
「召喚魔法カムカムヒアーでコブリン5体召喚、それを変身魔法カワルンルーンでダークマジシャンナイトへクラスチェンジ、さらにそれを増殖魔法フエルンルーンで小数を倍の10体に増殖、さらに増強魔法スゴジルーンでHP及び攻撃力倍化、さらに……」
と魔法で味方キャラを召喚し戦場を数でに優位に進めたのです。ちなみにこのカードには特に不思議な力が宿っているわけでもなく、単に呪文が覚えられないエルザのカンペであったとのことです。
そして魔法少女並みのMPを持つ召喚キャラ「ダークマジシャンナイト」は実に手際良く攻撃魔法を駆使し人間どもを打倒していくのでした。
そしてスレイガー勢の半数がやられた頃、残りの半数はすでにリリーの魔放射能エンジェリコフ光を浴び、みな「ピュア・スマイル・ヌーディスト」と化し、一切の戦闘を放棄して全裸でリラックスしておりました。後は戦闘ばかりでなく、人として重要な寝食も放棄し、ゆくゆくは穏やかに死ぬるだけです。
あっというまに部隊が壊滅し言葉を失っていた忍者ちゃんらの頭上にマアリャ(ヤークトゲシュタルト形態)がキャラ崩壊したかのような嗜虐的、暴虐的な笑みを浮かべていたのです。
そして長い髪を振り乱すと、それらががうねりながら幾つもの蛇のような形になって逆立ち、一斉に鎌首をもたげたのです。
そしてなんとその幾多の蛇の口吻から引力光線のようなものを放ったのです。

ジュババババババババッバーーーーーーーーーーーーーンンッ! ギュンギュンギュンッ! ルーロルロローッ!

それは圧倒的な破壊力をもって壊滅的なダメージを与え、絶望的な状況をもたらしたのです。
破壊、破壊、圧倒的破壊につぐ破壊は、この上ない壊滅と絶望をその場に招来したのでした。

広大な小原崎城城郭一帯が完全に更地になった頃、魔法少女の嘲笑を背に、マジな蒼い顔で捨て台詞のひとつもなくひたすら全力で走り去る4ニンの忍者の姿を見たものがいたとか、いないとか。

p381

神と悪魔のタピスタリーに紡がれし果てなき混沌と無間の宇宙輪廻の深淵なる理さえどうでもよくなるような母の味
魔少女旋風 ナハト×マギカ
第二十話 「魔少女再起動」 

――― 断片的なデジャブ、或いは走馬灯のような記憶

その日、私は、父と母に連れられ、妹と家族4人であの村へと引っ越した。
車も通れない山道をいくつか越えた深い谷の奥。地図に無い場所。
道中で父が、我が家の祖先がその村の出身なのだと語っていた。
都会で暮らしてきた私と妹にとって、あの視界のすべてを覆う圧倒的な自然は、行く先を心細くさせるだけであった。
村の入り口で歓迎してくれた村人たちも、何だか私たちの知る都会人とは違った、いやともすれば現代人とも違ったような雰囲気さえした。
なんだか異世界転生か、タイムスリップでもしたかのような、得も言われぬ違和感に囚われっぱなしであった。
その日のうちに、村の代表者である「頭領様」と呼ばれる老年の男性に呼ばれ、私たち家族はその頭領様のお屋敷に招かれた。
既に村人が集まり、宴の用意がされていた。私たちの里帰りを祝してということだった。
見慣れぬ山菜や川魚などの御馳走が並んだが、幼い妹はケチャピをかけたハンバーグが食べたいなどと母に我儘をいった。
宴の最中に数人の村人が、「おかめ」や「ひょっとこ」といった御神楽面をつけた土地の踊りを太鼓や笛とともに披露した。
その踊りは、私ら幼い姉妹に楽しめる要素などなく、それどころかどこか欺瞞や悪意さえ垣間見えるような厭な感じさえした。
そのうち、ついに妹がお家に帰りたいと涙をほとりとこぼし始めた。
私は、妹の頭を抱きナデナデしてあげた。帰りたいのは私も同じであった。
ただ、おそらく帰る処、あの家はもうないのだろうと、何となく両親の言動や雰囲気から事情は察していた。
その間、妹の赤いぽっちり髪飾りが嗚咽で揺れていた。その様子が何故かやけに私の中で印象的であった。
しばらくすると頭領様こと「烈風斎」と呼ばれる件の男が私に近づき、御神酒を飲むよう盃を差し出した。
しかし、私は子供なのでお酒は飲めないと断ると、「口をつける格好をするだけじゃ」といわれた。
ただ村人が皆で私のほうを見ているのと、その烈風斎が怖いくらい不気味に笑っているので、なんだか断り切れず、本当に盃に唇だけ付けた。
その際、ほんの一滴だけ口内に沁み込んだのか、私はなんだか痺れるような感覚と共に、ガクっと強い睡魔におそわれ、眠りに落ちてしまった、というより私は気を失ってしまったのだろう。今思えば、あれはとても強いお酒か、或いは何か眠り薬のようなものではなかったであろうか。
私の意識が闇に消える瞬間、何故か「鬼」という異形のものの顔を見た、ような気がした……。

時おり目が覚めた。大音量の読経と、木魚や鉦などの法具を叩く音が聞こえた。
それは私の深層意識に、不思議と地獄の阿鼻叫喚をイメージさせた。
体は動かない。全身が荒縄で縛られていた。
そして同時に、口から喉にかけて激しい苦痛と閉塞感を覚えた。
私の口には漏斗が咥えさせられていた。
その漏斗から据えた匂いの粘った液体が、いっぱいに私の喉奥に注がれていた。
私はゲホゲホとその極めて不快な異物を吐き出すよう抵抗してみた。
するとすぐに傍にいた修験者風の人達に顎と全身を押さえられ、すべての抵抗を封じられてしまった。私はその液汁の強烈さと、呼吸困難から苦悶で目が回ってしまった。そこに修験者の当て身を首筋にもらい、そして再び目の前が真っ暗になった。
その時、また同じ鬼の顔を見た。

鬼が私の身体に入ってきた。
桝で注がれ漏斗で飲まされた液体、その正体は大古の鬼の血と精液を混ぜたものであると後で聞かされた。その饐えた匂いの液汁が私の体内に大量に入り、臓腑と血管の隅々まで浸っていった。そして私の身体に鬼の子を為すのであった。
そしてその鬼子は私の体内で生き血を啜り、臓腑を喰い、脳漿までをも無間へと冒す。
私の何もかもはその内なる鬼に喰いつくされ、すべてを奪われ、挙句空っぽの体となる。抜け殻、張り子の人形、空蝉の人間に……、いやとうに人間ではなくなってしまっている。
今の私は虚無、暗黒、無間そのものである……。

中身がない私は、耐え難い喪失感と、虚無感を埋めようと、なにか中身を欲し、それを求める邪悪な器となりぬ。
激しい空腹から、辺りにあるもの、横たわるもの、手にしたものを夢中で己の口に運ぶ。
動くもの、動かざるもの、動物、植物、または元来それらであったもの、さらに無機物、有機物、あらゆるものを喰らひて、咀嚼し、喉の奥へと流し込む。何もかもが凶悪なほど美味く感じる。それとは別に底なしの食欲に脳汁がそのまま涎となりて、壊れた蛇口のようにとめどなく快楽の間隙より溢れ落ちるようであった。

気が付くと、私は私に戻っていた。ただ、目の前の状況がすぐには理解できずにいた。
私は暗い座敷牢の中におり、そこには夥しい血溜まりの中に、散乱した人間の手足やハラワタやら骨やらが落ちていた。
まるで野犬か肉食の獣に食い散らかされたようであった。
少なくても数人分かと思われるの人体の破片が、血を浴びた私の周りに放置されていた。
そして私はその有様を特に驚きもせず、しばしぼうと眺めていた。
口内に違和感があった。何気に私は口の中に指を入れ、その奥歯に挟まる異物を取り出してみた。
何やら赤く硬いものであった。見覚えがあった。
さっき見たばかりの妹の髪飾りの破片であった。
私の口元を染めているドス黒い血の色とは違い、キラキラとピンクがかった赤が印象的だった。

特に何も感じなかった。何も考えなかった。
空っぽになった私には、ただそれだけのことだった。虚空を見つめ、起きているのか眠っているのかさえ眼前が曖昧になっていった。
夢か現か、人か鬼か、ましてや生きるか死ぬかなど、そんな事さえひどくうでもよくなっていた。

ただ座敷牢の檻の外で、その様子を、鬼の御神楽面を被った者たちが、その奥で満足げにほくそ笑んでいたのは明瞭に覚えている。


ここで私は、リアルで目が覚めた。長かった悪夢からようやく解放された。
古時計を刻む振り子の音、暖炉の火が頬を照らしていた。それは優しいいつもの空間への帰還であった。
いつかあの日、母の祝福と、慈愛のぬくもりに包まれ、穏やかに迎えた目覚めのような。

「マギカ、目が覚めたのね。大丈夫?」
「そのまま、そのまま、まだ横になってて、だいぶ疲れてたんだね……」
「悪い夢でも見てたん? うなされてたりゃ?」

「ええ、私は大丈夫よ。それより状況はどう?」
「正直、よくない方向に向かっているわ。魔法処女狩りがエスカレートし過ぎて、もうこの国は戦争状態よ。各地で私たちの仲間のマギシタンたちも武装蜂起して戦場が拡大してるわ。ま、結界がある限り、ここは大丈夫だけど」
「あとは、敗れたマギシタンの仲間たちを、このお城に避難させてるんだけど、正直もう限界……、定員オーバーで食料や生活物資をなんとか魔法で調達してるんだけど、私たちのMPもそろそろゼロ……、他のことが何も出来ないわ。次元航行船の完成も遅れてるし……」
「そう、ゴメンね、みんなに負担かけて、私が長く寝てしまったばっかりに」
「そんなこといいんだよ、今までマギカばっかり頑張ってたんだから、マギカは少し休んでもらわないと……」
「それより、マアリャがいないけど、彼女はどこ?」
「それが、マアリャったら勝手に二人の新人魔法少女を召喚して、出て行っちゃったみたいなの、きっと帝国軍の敵グループを狩りにいってるんだわ。あの大人しかったマアリャが好戦的に……、最近なんだかあのコ変」
「そう、マアリャが……、わかったわ、色々と問題は山積みなようね。ここはみんなで一つずつ片付けていきましょ」
マギカは務めて明るく答えると、おもむろに身を起こしました。そして、少し深刻な面持ちで窓に浮かぶ星空を見つめました。

今マギカの心の大半を占め、不穏にざわつかせていたのは、さきほどの夢の中で見た少女のことでした。
「(あれは夢なんかじゃない。確かなあの子の記憶に違いない。あの子にあのような過去があったとは……、だとすると私は見誤っていた。……あの子もまた人成らざるもの。内なる自己に鬼を宿すもの、或るいは鬼そのもの……。私たちと同じ、……人外、闇に住まう者。はっ、だとしたらあの子は生きている!? そして私たち魔法処女のさらなる脅威に!? いや、あの子の狙いは私一人なのだろう……)」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!
マギカはそのことを考えると、心ならずとも、その己が抑圧し続けた戦闘的な黒魔法力の内なる高まりを抑えることができませんでした。
宿敵、天敵、本能の敵、来るべき戦い、まるでハブ対マングースか、ゴジラ対キングギドラのような。
それは傍にいたキララ、アリサ、ルカにも伝わり、彼女たちもまたマギカが持つ素の自己防衛本能からくる戦慄に、細胞レベルで共鳴してしまうのでした。


「ゴボゴボボオオ。。。。。。」

酒早川の深瀬に横たわるナハトと呼ばれていたものの口腔から、今、呼吸の水泡の幾つかが、突如、破裂したかのように溢れ出ました。
それは、確かに心肺停止状態でいたナハトが、生命活動を再起動した証に他なりませんでした。
すると次にナハトの肢体が二、三度ビクビク痙攣し、両の手が川底を掴み、その身体を起こしたのです。
そまま両足で砂利を掻きながら、ゆっくり歩みを始めました。
ただ寸前までほぼ水死体であった体は、ユラユラと軟体動物のように頼りなく、激しい川流れを堪えつつ、やっとのことで浅瀬を目指しました。
まるで舟幽霊か、水辺の妖怪のように、水面に顔を覗かせたナハトは、かつてのギャグ系美少女陽キャラ(偽り)の面影は片鱗もなく、醜く腐敗しかけ、ブツブツ爛れた皮膚と、藻屑のように乱れた髪の隙間から覗く潰れた眼窩などは、もはやゲゲゲとしか形容できないおぞましさでした。

そして河原に上陸したナハトの両眼の視力のほとんどは失われていたことでしょう。
それでも何かの光を求め飛び交う闇夜の羽虫のように、その青白く腐りかけた両脚を水雑巾のように引き摺りながら、寝静まった路地裏を怪しく彷徨するのでした。

これが迷い子や捨て猫ちゃんならば手を差し伸べる者もいたことでしょう。しかし今のナハトの容貌はあまりにも醜悪かつ奇怪で、その姿を見た者は恐れ慄き逃げ去るか、或いはその存在さえ許さず攻撃してくるかの二択であったことでしょう。
もちろん当のナハトは己のその姿さえむしろカワイくさえ思えたかもしれません。
そう己が内に潜む真の姿であらん「虚無の鬼」の姿にに比べれば。

そしてナハトは半刻ほどのちに辿り着いた、とある小さな一軒家の戸を叩き、そのまま玄関先に蹲るのでした。
すると、玄関の戸が開き、その家に住む一人暮らしの中年女性が現れました。
「どなた。あ、あなた! ちょっと、だ、大丈夫!!」

もしかしてナハトはその人を知っていたのかもしれません。
果たして何か不思議な動物的本能で、その女性の居場所を感知し、何とか邂逅するために無意識で身体をここまで運んできたのかもしれません。
帰巣本能、自然界の動物の子が、聴覚、嗅覚を駆使して、何百キロ先のはぐれた親を求めるのように。

「(お母さん……)」
ナハトはそう呟くと、ぎゅっと女性の肩を掴みました。
「…………(はっ!)」
そしてナハトはその女性の腕の中、ぬくもりの安堵の中、また深い眠りにつきました。まるで生まれたての赤子のようにその身を丸め。

その女性はナハトの震える背中を抱きしめながら、かつて一緒に暮らしていた最愛の娘の面影を彼女に重ねてみるのでした。
p375
暗黒世界に彷徨う二人の魔少女。その果てに掴もうとした一縷の望み、最後の光、唯一の真、それは母の愛……
魔少女旋風 ナハト×マギカ
第十九話 「地獄×極楽」

こと全国に広がったマギシタン(黒魔法少女&その支持者)狩りは、日に日にエスカレートしていき、狩る側のマギカスレイガーと呼ばれる集団の中には帝国政府の追加補正予算で貸与された重火器、それも機関銃や対戦車ロケット砲等を獲得したほぼ軍歩兵部隊に近い戦闘力を有するグループが台頭したのでした。そしていっきにマギシタン側の被害がこれらガチ勢により拡大していったのです。
ただ、一方的に狩られるマギシタン側もこの理不尽で残虐な行為に我慢できなくなり、こちらも全国から有志、基本的に女子中心でありますが、義憤に駆られた漢、或いは家族や恋人を守るため、または失ったそれらの者の復讐に燃える男子らも各自武装して立ち上がり、これに真向から対抗したため、各地で両陣営のバトルやデュエルが同時多発し、長いこと平和であった亡魂帝国は、国際社会においてももはや紛争エリアか乱世の世とまで危惧されるほどの危険地帯と化していったのでした。
これら後世に伝わるところの「小原崎の乱」、「魔法少女の役」であります。こと初戦で激戦地となったのは京都の鳥羽・伏見エリアで、西国のマギカスレイガーと、東から集まったマギシタン武装組織が激しく武力衝突したのでした。
ただ両軍勢は軍備兵装で圧倒的な格差があり、帝国政府の重課金で装備した軍用兵器がデフォのスレイガー勢に対し、マギシタン側は刀剣や竹やり、もしくはおもちゃの魔法ステッキがせいぜいでした。
この戦いではマギカスレイガーのトップ団体御三家「クリムゾンタイツ」、「バックファッカー」、「残虐天使」を中心とした通りすがりを含めた1200人余、対するマギシタン側は「新聖組」、「白娘隊」、「スターぴょん友の会」ら100人弱と数の上でも圧倒的に劣勢でした。
 「うひゃひゃーーーーっ」、「うほーーーぉい!」、「オラオラオラっ!」
ガガガガッガガガッガガガッガ!!
多数の機関銃をぶっ放しながら、刀剣類で突撃してくる魔法少女の崇拝者、協力者たちをまるでFPSの敵ゾンビように容赦なく撃ち殺す、戦闘意欲旺盛なマギカスレイガーたちは、傍目でももはや人間として何かが壊れているかのようなアブナイ戦闘狂にしか見えませんでした。
またそれでも立ち向かう黒魔法少女親衛隊の戦士たちも、それもまた何か狂信的な使命感に燃え、命さえ顧りみない行動をものともしない様はそれもまた病的、人として何かがオカシイとの見方も否定できませんでした。
オカシイ人間が戦争をするのか、戦争が人間をオカシクするのかなどと、よく昔の人がいうような言葉がまさに該当するのでした。

京都の戦場はすぐさまマギシタン側の大処刑大会となりました。次第に戦闘がスレイガー側圧倒的優位に進むと、戦いには参加しない一般人が興味本位でその様子を見んと集まってきました。戦闘に敗北した者、主にマギシタン女子(まれに男子)はスレイガー(雄)らにそのまま御レイプ則ち御強姦、死者は御死姦されるのが常で、そのエロ光景を一目拝もうとする者、またはそのおこぼれに預かろうとする者たちが好奇の目でゾロゾロと高みの見物としゃれこんでいたのでした。
その見物人の一人が何気に空を見上げると、宙に漂う影がありました。周りの者に教えようとしましたが、傍の者はみな眼前の刺激的な光景にそれどころじゃないといった案配でした。

その大空に浮かぶ影は地上のマギシタンの救援に駆け付けた一人の黒魔法少女でした。

「(えーと、なんだっけなー、中距離広範囲攻撃魔法の呪文……、「マッハコレダー」でも「ムーン・スパイラル・ハート・アタック」でもなく、確か、えっと、えっと?)」

この魔法少女は先日マアリャが召喚した古の戦闘特化型の魔法少女エルザでした。
ただエルザは強力なMPを持つも、元々頭脳が弱く記憶力に難があるいわゆる「おバカ魔法少女」で、しかも今回の転生まで長い年月休眠していたためほとんどの魔法の呪文をド忘れしてしまっていたのでした。

「ち、しかたない、直接コイツで狩るか……」
ギューーーーン、ジャッキーーーーン!

と手にしていた魔法ステッキを巨大な鎌状に変形させると、そのままスッと重力にまかせ地上に降下しました。

ドスン!

「おわ、なんだ!」
「何か降ってきたぞ!」
「ま、魔法少女じゃないか……(怯)」

敵のど真ん中に落下したエルザは体を起こすと、その大きな鎌「バスターサイズ」を大きく振りかぶりました。

「て、敵魔法少女確認! まずいぞ! 各員! 散開っ、散開! ターゲットとの距離を取りつつ各自反撃っ!」
「「「「イッエサー」」」」

いきなり敵魔法少女エルザと対峙したランキングNo.1スレイガーチーム「クリムゾンタイツ」のメンバーは、すぐに統制の取れた行動で各自散開、適宜距離を測りながら最適な陣形を再形成、そして有効な射線を確保し即座に反撃、と実に無駄のない仕事、このあたりはプロの軍人顔負けのチームワークといえました。ちなみにメンバーはすべて下半身に真紅のタイツを着用といった「赤備え」の連帯感も統一感も文句なしのグループでした。

「目標を前面の敵魔法少女に集中 一斉掃射! 撃ち方始め―っ!!」

リーダの小菅の号令で各メンバーが6.5mm尖頭銃弾をエルザめがけて発砲しました。

ガガガガガガガガガガガガン!!
灼熱の銃身から夥しい銃弾が放出されると、

「あいててててててててえ!」

ヤークトゲシュタルト変身前のエルザは機銃の雨嵐を浴び、さながら自衛隊の攻撃を受けた巨大怪獣並みに悶え痛み苦しんではいましたが、致命的といえるほどの打撃を受けているようには見えませんでした。
またエルザの着衣は被弾により一時期中破~大破状態となり、そこから肌の露出が覗くも、漫画的演出で次のコマできれいに元通りとなっておりました。

次に指揮官の小菅は、二の手であるロケット砲の攻撃を要請し、後方に構えていた砲兵部隊が肩に構えたロケット砲をぶっ放したのです。
立て続けに3発放たれたロケット砲のうち一発がうまいことエルザの頭部にヒットし大爆発しました。

ヒュウウーーーーーーッ、バゴオーーーーン!!
「着弾、今! 頭部命中!!」

ロケット砲弾の見事なヘッドショットに確かな手ごたえを感じとったメンバーたちが「おおおおおお!」、「やったか!」などと歓声を上げ盛り上がりました。

しかし爆炎の中から額を押さえて「イチチ!」といった感じのいまだ健在の魔法少女を確認すると、メンバーの表情がサーっといっきに凍ったかように固まってしまいました。
それとは逆にエルザの表情がぱっと明るくなると、

「思い出した!」

とばかりに豆電球のピコピンマーク(昭和の演出)が点滅した次の瞬間。エルザが何かの魔法呪文を詠唱しました。

「大量破壊広範囲攻撃魔法 ブラッデイホライゾーーーーーーーンっ!!」

と今度は両手に構えた大鎌バスターサイズに謎の怪光が宿り、それを反り返った体をダイナミックなスイングで水平に振り抜きました。

ンゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!

次の瞬間、大鎌の妖しい光が質量を帯び波動となり、巨大なうねりを上げ放射状に広がっていきました。

「う……」、「な、なわわ!」、「うおおおおおおおおおおっ!!」
ズムーーーーーーーーーーーーーーーーン、ゴシャサシャシャシーーーーーーーーーーーーンッ!!

十分に射程を取っていたはずのスレイガー集団クリムゾンタイツのメンバーがその衝撃波に飲み込まれるやいなや、赤い血しぶきを上げ爆ぜるるように全員の身体が四散していったのです。
間をおいて辺りにミンチ肉と血の雨がどしゃ降りとなりて広大な大地に降り注ぎました。

「ちょっと何やってんのよ!」

ここでふいに現れたのは援軍の魔法少女「キララ」でした。
「あ、キララさんチース!」
「何やってんのって聞いてんのよ、この血の海は何なの?」
「何って敵をやっつけたんですよ、皆様方の言いつけどおり我ら魔法少女の敵を……」
「敵って完全に一般人まで巻き込んでるじゃん、関係ない見物人まで全員」
「あー、あれねっ……、でもあいつら笑って見てたんですよ、そんなの敵でいいんじゃないですか(半笑)」
「だとしてもやりすぎ、敵だってなるべく頭を潰してザコはほぽっておくのがいいのよ」
「それはマギカさんのお考えですよね、あたしの契約者はマアリャさんなんで一応……」
「何よそれ! ふん、ま、いいわ。それよりもう一人の子は大丈夫なんでしょうね?」
「ああ、リリーなら、大丈夫っしょ、平和主義者のマジ天使ですから、キヒヒヒ」
「じゃあ、怪我した人間たちを城まで運ぶわ、敵も味方もね、手伝って」
「りょーかい、ケガ人ってこんなに沢山、もう城も定員オーバーじゃ」
「そこが悩ましいんだけどね……」


その頃北の激戦地北海道は函館では、
名所五稜郭の上空にもう一人の新魔法少女リリーが浮遊しておりました。
その姿はとても神々しくまるでマジ天使と見まごうほどでした。
その下に不思議と人間たちが集まってくるのは、リリーのスカートから覗く足元を下から拝もうというやましい心ばかりではありませんでした。
リリーは女神の錫杖のような魔法ステッキを天にかざすと、美しい微笑みで祝福の呪文を詠唱し始めました。
「目に見えぬ欺瞞の鎖に縛られ、混沌の炎に焼かれし憐れなる人間の魂よ、今ここに無意なる情念と概念の呪縛を断ち切り自由となり給え、ピュアになり給え、フリーになり給え、ネイキッドとなり給え、しからばソーハッピー・ソースマイリーの祝福あらん!」

そのステッキから放たれた光の粒子がこぞり集いし地上の民の頭上に燦々と降り注ぎました。
するとその人々の目が次第に澄んだ輝きを放ち、中には瞳を潤ませ涙さえこぼしながら、その表情は見た目にもとても美しく純粋なものになっていきました。

「二パー!」

その天使の魔法少女が微笑んだのを合図に地上の民も同様に二パーと天使の微笑みを浮かべました。
そしてそのまま人々は誰に言われるでもなく、自身が着ている衣服を脱ぎ始めたのです。
男も女も老も若きも靴も下着もヅラもアクセサリー類も全て脱ぎ捨てました。
まるでそれはこの世の業やしがらみをもすべて脱ぎ捨てるかように。

そして心も体もフルヌード、フリチンになった彼、彼女らはその場に座り込み二パーと子供のような笑顔で言葉も忘れいつまでも幸福、恐らく、多分そんな時間をすごしました。

この人たちは「ピュア・スマイル・ヌーディスト」と呼ばれ、綺麗な心と純粋な体をもった新しいライフスタイルというよりは、もはや新たな人種、新人類といったピープルでした。

時折りお巡りさんや当局の役人が何事かとすっ飛んできましたが、彼らの愛くるしい笑顔を見るや否や、同様に二パーと微笑むと堅苦しい制服やスーツを脱ぎ捨て、自然と彼らの仲間に加わっていったのです。

その光景を見守りながら、教祖のリリーは別の顔で微笑みました。それは極悪キャラの顔芸レベルのとても悪ーい顔でした……。

後で知った情報によると、この「ピュア・スマイル・ヌーディスト(PSN)」なる者たちは、この世のあらゆる苦痛やストレスから解放されるのですが、同時に人間としてのあらゆる本能の欲望(食欲・性欲など)なども失うため種の繁殖はもちろん、各個体自身の生命維持もままならずに、例えば摂食を放棄し餓死、またはこの時期凍死するのが関の山であったというのです。そりゃそうだ。


そしてその二人の魔法少女の活躍を魔法の鏡で監視していた契約者マアリャは満足げに呟きました。

「うん、エルザさんにリリーさん、イイ仕事するわー! よーし、私もそろそろ本気出しちゃおうかな♡」

p372

圧倒的な殺戮地獄、冒涜的な極楽幽閉、そして人間界は真なる破滅への秒読みが始まる……
p370
最新話の原稿を慣れないクラウド上で消去してしまいました。そこで反省の気持ちで二人に脱いでもらうことにしました(^^)
ナハト×マギカ 「………………………………」