FC2ブログ
魔少女旋風 ナハト×マギカ
第六話 「忍者処女衆♡いざ出陣」

亡歴19XX年10月3日午前10時00分小原崎城に仮設された帝国政府の合同プロジェクト『魔法少女対策委員会』の初顔合わせを兼ねた第一回合同ミーティングが始まろうとしていました。
国の安全を守る当局上級組織である「特別警察」、及び「帝国安全保障委員会」と、軍閥の帝国陸軍情報二局といった3つの機関からなる『魔少対(略称)』の責任者、及び関係各位が、戦国時代の合議の場に使われたであろう大広間に続々と参上仕った次第です。
この日のために急ごしらえで配置されましたテーブルや椅子は不必要にゴージャスで、また廊下にはフカフカな赤絨毯まで敷かれていたのです。
「あー、やれやれ」
「大変なことになりましたな」
「私の席はどこですかいのう?」
「おやっとさぁ、失礼するでごわす!」
「ホホホ、どうぞよしなに」
当局のお偉方と思われる方々が次々に入室され、みな大儀そうに着席されていきました。
出席者は誰もが高そうなスーツに身を包んでおりましたが、中には幕末志士かと思われるようなお方や、平安貴族を彷彿させえる妙な出で立ちのお方もおりました。

「あー、あー、えー、皆様お集まりのようですので、えー、これより……」

「遅くなりました。申し訳ございません!」

まさに会議が始まろうとしたときに帝国軍情報二局の桐島と肝田が部屋に飛び込んできたのです。

すると「軍議に遅れるとは何事と! 正規軍はぶったるんでおるちょっど!」
と叱責の声を高らげる者がおりました。先ほどの幕末志士然とした古臭い軍服の御仁でした。
「まあよしなに、帝国軍人殿はお忙しいのでおじゃります故」
それを隣でなだめる平安貴族然の御仁もおりました。

「すみません、お昼の仕出しの業者の入札に時間がかかりまして、結果地元の合同商店街に頼むことにしました(帝国軍の桐島は若いという理由で『魔少対』内で総務部的な雑用をすべて押し付けられていたのです)」
と桐島が弁明すると。

「おいおい地元の商店街って、てことはメインのおかずは干物とカマボコ料理しかないんじゃないのかね? トホホ」
「あー、もうなんで入札なんてするんだよ~、いつもの談合でここは『銀座の窮兵衛』でいいだろう。寿司職人をここへ呼んでさあ」
「ワシは横濱中華街の『珍漫楼』でもいいんだよなあ、あんたんとこの軍のヘリで出前してもらってさー」
「いやいや、イタリアンのなになにが~」
「それなら、フレンチのあれやこれや~」
「俺、焼きそばパンといつものジュースな!」

などといったランチメニューの話題で午前中の会議が終わってしまいました。そして午後は午後で参加者らの自身の所属組織の存在意義と、活動報告、~からの個人的な過去の武勇伝や自慢話の発表の場となってしまい、何一つ黒魔法少女に対する建設的かつ発展的な意見はいっさいがっさい交わされなかったというではありませんか。

桐島と肝田はどうせこんなことになるだろうとは予測はしてましたが、案の定の斜め上以上に貴重な時間の無駄遣いに絶望的観測の一念をよくよく思い知らされるのでした。
ただ、この場で知り得た情報としては、先ほどの幕末志士は名を巖土呂頼母(がんどろうたのも)といい、民間の傭兵企業『殺魔』、『超衆』連合、略して『殺超連合』の天下り頭領とのこと。なおこの殺超連合は特別警察が外部委託した古式砲撃中心の実戦部隊とのことだそうです。
そして隣の平安貴族の御仁は土御門浄観(つちみかどじょうかん)と呼ばれるいわゆる法師祈祷師の類なのだそうです。氏の家系は古よりその筋のオーソリティとして国家の重要な局面の裏で暗躍したと言われております。そしてまたこの『土御門家一門』は帝国安全保障委員会(帝安)が要請した対黒魔法術御用達シンクタンク・コンサル集団でありました。黒魔法の封印や無力化、反対呪文の解析の研究などのほか、呪詛や式神による非物理の遠隔攻撃でも魔法少女らに対抗する頭脳派チームだとのです。
よって帝国軍情報二局の『風魔忍者処女衆』をはじめ、どの組織も対魔法少女の直接交戦はすべて外部団体へ丸投げという格好でありました。

この日の会議での情報二局が得た成果といえば、最後の最後で桐島が提案した以下のことが唯一となりましょう。

「申し上げます。我々のシミュレーションによると、現在小原崎城内に置かれているこの前線本部ですが、あまりにも敵地に接近し、戦略的に突出しすぎていて危険と判断されます。黒魔法少女らによる遠距離魔法の十分な射程圏内と計算されます。……如何でしょうか? よってこの前線本部を箱根の強羅辺りに移設し、首脳陣の皆々様方には帝都政府本部と連携しつつ、そちらで決戦の時を待って頂くというのは。あるいは長期戦も視野に含め、この「強羅プラン」を御注進申し上げます。もちろんゴルフ、温泉付きで……」

「ううーーーんむ!」
「なるほど、敵に背を見せるのはちと面白くないが、この場は戦略的撤退もやもえんかと……」
「確かにそうですな、箱根に布陣するなら強羅あたりが何かとよろしいかと(観光や余興的に)」
「ウム、私も特段異存はないが……。チャー、シュー、メーーーン!(ゴルフのスイングの真似をしながら謎の独り言)」
「そうと決まれば善は急げだ! オイ誰か車の手配を、それと今晩の宴席の手配も忘れるなよ!」
「あー、やれやれ(笑)」
「大変なことになりましたな(笑)」
「はい、撤収ー! 撤収ー!」
「お疲れチャン お疲れチャンっと! うはっはは!」


とここで満場一致で桐島の提案は即刻可決し、当のお偉い様方は早々に小原崎城からおひきとりあそばされたのです。

どうやらこのお偉い様たちは戦場で采配を振るかわりにグリーン上でクラブを振り、何の緊張感や疲労感もないままに高級な温泉でさらなるリラックスと疲労回復をするのでしょうか。
挙句貴重な時間と予算は何ら問題解決に寄与することなく、只こうしていたずらに浪費されていくのでした。

「それでは我々帝国軍はこの小原崎城にとどまり殿(しんがり)を務めましょうぞ。貴官殿の御武運をお祈り致します!」

といった形でお偉方の煩さ方らをまんま前線基地より送り(追い)出し、上層部の鈍重で的外れな指示系統からかなりのところを解放され、作戦部隊の意思決定と自由行動が格段にスムーズになったことがこの評定に於ける帝国軍陣営の大きな成果といえましょう。

今や閑静となった天守に佇み、ここで仕切り直しにと一息つく桐島と肝田でした。
桐島が見下ろした城下の街に見る人々の営みはいつもの平和のように思えました。
また星降山にそびえるマギカ千夜一夜城の夕映えも、とても穏やかに見え、恐怖や悪意の念などは、今はどうして微塵さえも感じられなかったとのことです。

「(黒魔法少女マギカ、彼女たちは本当に人間の敵なのだろうか?)」

ふとそんな思いが桐島の内心に湧き揺らぎました。

そして桐島は幾分仕事の顔つきで、
「忍者処女衆の皆さん……」
と呟き薄暗い天守の屋内に目を遣りました。

「はっ!(×五)」

シュン、シュン、シュン、シュン、シュン、ザッ!

すると、掛け声とともに天井や、床の下、あるいは掛け軸や、隠し扉の隙間に潜んでいた例の風魔忍者ちゃん♡たちが一斉に姿を現したのです。

「鬼姫夜叉 如月。ここに!」
「毒虫太夫 寧。見参!」
「赤猫又 夏。参上~っ!」
「舟玉藻 澪。こちらに仕まつります……」
「空蝉夢想のナハトです! よ、よろしくおねっ(ステン) ……がっ、 イたっ!(します……)」

一人だけ地べたを転げる者もおりましたが、片膝をついた風魔忍者処女衆5ニンが堂々と集結いたしました。
いずれも歳若き美少女たちで、露出多めの忍者装束姿は一部マニアに需要がありそうに思えました。
しかしながら、その彼女ら(約一名を除いて)の眼光や体捌きには、ふと一瞬垣間見る研ぎ澄まされた殺気さえ漂い、なんとも可愛くも妖しい美少女ユニットに見て取れました。

さっそく桐島が忍者処女衆たちに任務の次第を告げました。
「司令部の本作戦開始の許可が下りた。先日も説明したが、今回の作戦すなわち下知は第一に人質「犬神綺羅螺」の救出。
第二に敵組織の情報収集と実態把握。
そして第三に魔法少女との交戦及び敵施設の破壊である。但し交戦及び敵施設の破壊はやもえなき場合とする」

「はっ!(×五)」

「そしてこれが敵の黒魔法少女のラスボス、すなわち敵御大将の遠藤魔鬼伽と、人質の犬神綺羅螺嬢だ」
といいそれぞれ2枚の写真を手に取り、敵&救出ターゲットの尊顔を皆に周知させました。

「はっ!(×五)」

「以上。何か質問はあるかな?」
「恐れながら……」

ここで忍者処女衆のリーダー格の如月が立ち上がり何やら片手で久慈を切るような動作をしました。
すると不思議にも桐島の指から2枚の写真が離れ風もないのに宙を舞いました。

カッ! カッ! カッ! カッ! カッ!

「!?」

次の瞬間、桐島の後方の柱に5つの棒手裏剣に顔を射抜かれたラスボス魔鬼伽の写真が突き刺さっておりました。
そして如月の手には羅螺嬢の写真が不自然に宙を舞い吸い込まれるように収まりました。

「恐れながら殿に申し上げます。そんなまだらまどろっくさいこと仰せなさらず、単にその魔法少女ども尽く討ち果たし、まとめて素っ首と人質の娘っ子とを持ってまいれとの下知をくだされれば事たやすいのでは?」
と如月が桐島に進言したのです。
すると他の忍者ちゃんらも、
「んだ、んだ、オラたちならでーじょーぶですだ!」
「いける、いける! やっちゃえ~、やっちゃえ~!」
とここはリーダーをフォローしました。

それに対し桐島はゆっくり首を振り、
「まあまあ、そんなに勝負を急がないで。敵は未知なる者、人外とも呼ばれている。どんな術や戦法を用いてくるかわからない。たやすく討ち果たせるとは思わぬこと。先ずは敵を知ること、何より人質の救出が最優先だ。任務はくれぐれも慎重に! いいね、みんな!」
と諭しました。

「ぎょい……」
といいながらも如月は両手をパーに肩をすくめ、不承不承承知いたしたようでした。
余談ですが、桐島の部下の肝田はそんな気の強い系姉御キャラ(デレないツンデレ)の如月が今のとこの「推しNo.1」たそうです。これは本当に余談ですが……。

「では、任務開始! かかれー!」
「はっ!(×五)」

桐島の掛け声で、天守より屋根を伝い下界へと跳躍していく忍者処女衆。
ただ一人空蝉夢想のナハトは皆の読みとご期待通りまんまと巴瓦を踏み外し、宙高く落下したところを仲間の放った鉤縄に助けられるも、そのまま団鬼六のごとく見事な緊縛逆さ吊りの図に化してしまい、パイスラ、マル見えパンツ(褌)荒縄食い込み状態でまさしく一部のマニア垂涎の品になったのでありまたとさ。

「いやああああああああん、お約束(エロ含む)はゴメン被りたいでござるよぉ~~~っ!(泣)」
p313
エロかわ千万、外道忍者ちゃんたちここに見参! 次回こそ本当に魔法少女ちゃんたちとのバトル開戦!
スポンサーサイト