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魔少女旋風 ナハト×マギカ
第十八話 「新キャラ×強キャラ」 

犬神卿と諸葛亮晴明が隠遁する伊豆の修善寺は、今宵夜霧に包まれ、熟成された秋の静寂に、辺りはまるで時さえ忘れてしまったかのようでした。
そんな風情に水をさすように、けたたましい電話が突然犬神卿を呼びつけたのでした。その内容も穏やかならぬものでした。
火急の用の主は亡魂帝国総理小喪野狭男氏でした。この御方は犬神卿を魔少対より更迭しておきながらも、今だ氏を対魔法少女のメンターか知恵袋として頼らざる得ない場面が往々にしてあるようで、なにかと水面下でナイスアドバイス、ベストアンサーを求めていたのです。但しこの場合の手柄は総理の独り占めでしたが……。
「犬神君、困ったことになったぞ! 殺超の巖土呂が爆死、土御門の浄閑も謎の怪死を遂げた。よって殺超も土御門も今は壊滅状態だ。悔しいがもはや軍閥に参戦してもらうしかないのかと……」
「そうですか、巖土呂、土御門が……。しかし総理、今、陸軍、海軍をぶつけるのは些か時期尚早かと。正規軍とはいえあの堅牢な魔法少女らの結界バリアは、現時点のいかなる軍備兵器をもってしても突破はおろか傷一つ付けられますまい……」
「なんと! そんなに頑丈なのかアレ……」
「残念ながら……、しかしご安心ください。きゃつらの結界、いえそればかりか魔法少女の魔法そのものを無効化するトンデモ兵器が、今まさに黒荊重工で完成を控えているとのことです」
「なんだと、それは本当か! ならばソレの完成を急がせい、早く実践投入できんのか!」
「もっか海軍が運用に向け試作型を最終調整中だとか。それが量産された日には我々人類、亡魂帝国民の勝利は確実とあいなりましょうが……」
「本当か! 史上最大のピンチに我々が勝利できるのか! そして私は歴史の教科書に名が残るのか!」
「畢竟そうなりましょう。しかしその前にひとつ問題があります。魔法少女が建造中の次元航行船なるもののお話は以前お伝えしたかと」
「ああ、魔法少女らが異世界へと退避するために造船しているとかいう例の舟のことか」
「それが戦艦だという情報もあるのです。それも超弩級の、しかも人類を半日で全滅エンドにできるという凄まじい火力と魔法兵器を有した……」
「なんだと、それが本当なら、一刻も早くマギカ千夜一夜城を落とし、その艦を完成前に破壊せねばならぬではないか! やはりなんでもかんでもかまわんから今すぐ陸海全軍に総攻撃を要請せねば!」
「お待ちください、ここでの力押しは逆に魔法少女らを刺激し、次元航行船の完成を早める結果となりましょう。ここは静観、我慢の時です」
「なんだと、静観、我慢て、そんな呑気なことで大丈夫なのか?」
「本拠地総攻撃は最終兵器の完成する決戦、すなわちアルマゲドンまでとっておき、今は籠城戦に対して古今より常套とされる策を用いましょう」
「ほう、で、その策とは」
「兵糧責め、まあ魔法少女の場合は生命源ともなるMP責めとでもいいましょうか」
「なるほど、MP、すなわち魔法力の供給を絶ち敵のスタミナともいうべきMPを削るか」
「具体的なプランは電信にてお送り致します。効果は総理の期待に存分以上にお応えできるかと」
「それは楽しみだ、うむ、やはり君は頼りになる。何より君の情報強者ぶりは賞賛に値する。さぞスパイや内通者を敵味方に仰山ばらまいておるのだろうな。おー怖い怖い!」
「ふっ、ま、そんな処ですかな。これからの戦争やビジネスは迅速かつ的確な情報がモノをいうことかと。なにより、これも国家のため、総理のためならば。この犬神征治郎、陰ながら全身全霊で尽力いたす所存っ!」
「むほう! 君のおかげでこの国も私の立場も安泰じゃのう。ふひゃひゃひゃひゃ! これからも頼むぞ! 盟友犬神君よ!」
「当然です……」

ガチャン、と通話が終わったタイミングで。

コト、諸葛亮晴明が芳醇なブランディーと一緒に軍部からの暗号文をテーブルに置きました。
犬神卿が片手に取ったグラスをくゆらせ、出力されたエニクマ暗号に目を遣ると、

「ワレ エレメンタルデストロイヤー キドウジッケンニセイコウセリ」

と印字されておりました。犬神卿はふふっと苦笑いで、

「海軍もこういう事ばかりは仕事が早いな……」
「存外に予定が早まりましたな。なんなら、もうここで決着としますか?」
「いや、まてまて、お楽しみは最後まで取っておこう。内部情報によるとまだ次元航行船完成、すなわちエクソダスの日には10日ばかり猶予があるだろ、ならばもう少しこの地球創世記以来の大イベントを見届けようぞ」
「仰せのままに。そういえば外道忍者ちゃんたちに上級生三人組が合流するそうです。それに人外魔法少女ちゃんたちも強力な新メンバーを召喚するとか」
「それはゴキゲンではないか。戦争による物量と物量の大量破壊も結構だが、こういった個人競技ともいえるガチな果し合いも捨てがたい。それがあのように哀れな異形の少女同士となれば、願わくはさらなるエロありグロありで見ごたえも最高かつ極上のモノせあって欲しい……、そう思わぬか?」
「晴明曰く、イエス アイ ドウ!(親指を立てて)」


同刻、隣県相州神奈川のとある山間では。

「そのほうその目はどうしたのじゃ?」
「不覚にも、敵魔法少女の術中に嵌められ……」
「……それで、寧と夏は討ち死に、あのナハトすら帰らぬか……、うぬがついていながら随分不始末ではないか!」
「申し訳ござらん! 言葉もない……。あやつらは某が殺したようなもの……(実際、寧は鬼化した某が……、おっと!)」
「まあ、如月殿ばかりを責めても是非もないじゃんか……。ま、ここは風魔忍者処女衆同士仲良く合力し、戦の仕切り直しといこうではないか! カハハ、皆の衆安心なされい! ボクが来たからには魔法少女などこの鏃でイチコロじゃーん! カッハハハハーーーッ」

「(あー、なんでこいつら来るんだよ! その前に魔法少女共を始末できなかった某らの不覚といえば不覚……)」
と3ニンに詰められた如月はたいそう面白くない様子でありました。

この遅れて現れた新顔ながら強キャラ感ありありの3ニンの風魔忍者処女衆。
その言動や立ち位置から察するに、リーダー如月と同等の風魔忍術学園上級生の上忍勢かと推測されましょう。

後に判明するその3ニンの風魔人別帖によるところの情報はといいますと、

「絡繰り童女 鞠緒(まりお)」 傀儡の術で機械人形を操る理系女子忍者。理屈っぽい理論派職人で性格はややメンドクサイ。

「野ざらし御行 夜魅(よみ)」 謎の瘴気を自在に操る闇属性の忍娘。自己陶酔型ニヒリストで、よく中二病ポエムみたいなことをラップや詩吟調でのたまう。

「卍摩利支天 ヒノネ」 通称ヒノ姉。ド外道が一周回って高潔なネ申正義忍者マン(女)になったと噂される。80年代アニメ風ビキニアーマー着用の弓使いのボクっ子でカカカと笑う、といった需要が微妙な人。キサ姉と共に忍者処女衆の二大リーダー的存在である。

彼女ら3ニンに如月を加えた4ニンが風魔処女衆三年生四天王として、学園内をはじめ一族郎党からも一目置かれていたのです。



また同刻、渦中のマギカ千夜一夜城では。

ドッカーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!
 と深夜に謎の爆音が城内に轟きました。

「え、なによ今の衝撃は?」
「地下の儀式の間から、まさか敵の攻撃?」
「とにかく行ってみよ! みんな一応用心のためにヤークトゲシュタルトになって!」

とキララ、アリサ、ルカの3魔法少女はステッキをクルクル回し呪文を唱え変身バンクへと入ったのです。

「「「ピカピカキラリン、クルクルクラリン、ポロポロポロリン、カワカワカワルワヨン!」」」

彼女たちのアクロバテックな動きとともに、着衣の普段着が空中に溶けるように消え、彼女たちの裸のラインがピカピカの光(規制)に包まれ、その手、脚、胴、髪にヤークトアンツークがパンパンパンとテンポよく装着されていくのでした。
但し、ありがちなエロアニメならDVD特典でこのピカピカ透過光(規制)がカットされ、商売的にいろいろとモロ出しのイケナイ全裸画像がバッチリ映し出されることでしょう。

変身を終えた魔法少女らは、警戒しつつ爆発の中心地であろう地下にある儀式の間へ様子を伺いに向かいました。
そこには異様な気を孕んだ魔法力の余韻が密になってうねり、このただならぬ状況のすべてをもの語ってました。

その部屋の中に佇んでいたのは同じ魔法少女のマアリャでした。

「あ、マアリャやん……」
「今の魔法力の衝撃波は何なの? あなた知ってる?」
「てか、まさかあなたが……、ここで何かをしてたとか?」

「ええ、してたわ。何かっていうと、最終決戦アルマゲドンのために、新規に人材を確保してたのよ♡」
「ん、人材って?」
「人外だから人外材かしらね、フフフ、とびっきりのスーパーレア魔法少女よ」

「はん、どーも……」
「お邪魔いたしマスです」

「え、誰ヨこのコたち?」
「(く、刺さるようなプレッシャー、この二人どんだけMPあんの?)」
「な、何者なの、マアリャが一人で召喚したの? またマギカや私たちになんも相談もせずに……。」

「紹介するわ、『ガチ悪魔 エルザ』と『マジ堕天使 リリー』。古の魔法少女の英霊で最強クラスの戦闘特化型人外魔法少女よ」

「要は人間どもを全バラシすりゃいんだろ♡ ギヒヒヒヒ」
「地球の支配者をリセマラすればよいのですね♡ にぱー」
「そういうこと♡ フフフ」

「「「は、はわわわわわっ!!!」」」

嗤うマアリャ&新参魔法少女らを前に、イヤな予感に激しく狼狽えるキララ、アリサ、ルカの今や古参魔法少女たちでした。
p364
強烈忍者×最凶サーバント 恨まれそうなNEWフェイスたちが最終決戦アルマゲドンに向けCan not stop together!
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